MRI装置の磁気にポケットの凶器が反応し女性が負傷 医学会が安全管理を呼び掛け

MRI検査を受けるにあたり、凶器を隠し持っていた女性。磁気の影響で負傷する事態に陥った。

2024/01/18 07:00

MRI

アメリカ人女性が銃を隠し持ったままMRIに入り、磁気に反応して発砲されてしまった銃弾が、尻を貫通したという。『NewYorkPost』がこの出来事をレポートした。


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■銃を携帯したままMRI検査を…

アメリカ・ウィスコンシン州の病院で、銃を携帯したままMRI検査の装置に入った女性(57)が、怪我を負った。装置に入る前に標準的な手荷物検査を受けており、危険物や金属物の所持については「ノー」と回答していたという。

MRI装置は作動時以外も磁気が働いており、ピアスなどの宝飾品、携帯電話などを身に付けないよう指導される。場合によっては刺青のインクが反応し、不快感や刺激を感じることもあるという。

この女性は何らかの方法でポケットに銃を忍ばせていたとみられ、装置の強力な磁気により銃が作動して発砲し、銃弾が尻に命中したのだという。

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■右でん部に銃創

FDA(アメリカ食品医薬品局)の報告書には、銃弾は女性の右でん部に銃創を負わせたと記されている。銃弾の入り口は小さく皮下組織を貫通したため、命に別状はなかった。現場にいた医師によってすぐに処置が施され、現在は完全に回復したそうだ。

MRI装置における事故は、これが初めてではない。今年10月にサンフランシスコの病院で、MRI装置に引き付けられたベッドに挟まれて、看護師が重傷を負っている。

また今年初めにブラジル・サンパウロで、男性弁護士がウエストバンドに巻いてた銃を外さずMRI室に入り、発砲した銃弾が腹を貫通してし死亡するという事故が発生していた。

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■日本磁気共鳴医学会も警告

MRI装置による死亡事故は、2021年に韓国でも起こっていた。金海市の病院で男性(当時60)がMRI検査を受けていたところ、部屋にあった金属製の酸素ボンベが磁気で引き寄せられ、装置とボンベの間に頭と胸を挟まれて死亡している。

当時、MRI室に監視カメラは設置されておらず、事故発生当時の映像は残っていない。しかし警察の捜査によると、高さ1.3メートルほどの酸素ボンベはワゴンに乗せられていたとみられ、検査担当のスタッフが大きな衝撃音を聞いている。ボンベの重さは10キロ以上あったとされ、磁気の強さがうかがえる。

この事故を受け、日本磁気共鳴医学会は公式ホームページで「より一層の安全管理をお願いします」と注意喚起していた。

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(取材・文/Sirabee 編集部・本間才子

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