松本人志の件が芸能界を2点転換させる展望 吉本と法令遵守からの転換

松本人志の活動の功罪と「吉本興業の松本」への転換点を辿り、吉本文化からの転換と、「法令遵守から尊敬へ」の展望を考察。

ダウンタウン・松本人志『週刊文春』による性加害疑惑で窮地に立たされている松本人志の、お笑い界における現状を分析したい。


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■松本人志の盛衰

複数の女性の告発があるという想定から、松本の立場は危ういと各所が様々に報道。松本は、 特に90年代には「ごっつええ感じ」 ・「HEY!HEY!HEY!」(フジテレビ系)などで、ダウンタウンとして一世を風靡した。

松本の独特さは著書の『遺書』・『松本』(朝日新聞社)で、自らの笑いをカリスマ的なものにしていった点。

実際に、単にベタな笑いを否定していくことや、笑いの優劣を意識させる影響力を松本は持っただろう。「芸人とはただの人気者ではない」という風潮を、松本がつくったと思われる。

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■松本の低迷期と復活

一方で松本は必ずしもずっと勢いがあったわけでもない。映画監督時代や『爆笑 大日本アカン警察』(フジテレビ系)の00年代後半から10年代前半頃は、松本らの新番組もうまくいっていなかった。

『水曜日のダウンタウン』(TBS系)や『ワイドナショー』(フジテレビ系)が軌道に乗ることで、CMも多くやるようになり、人気が復活してきたのだろう。

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■お笑い界のコーディネーター・松本

「水ダウ」は、企画をTBSプロデューサーの藤井健太郎氏に任せ、松本自身はVTRを観るタイプの番組であり、松本も仕事のスタンスを変えてきた。

松本は15年から『キングオブコント』(TBS系)の審査員も務めるようになる。「M-1」・「すべらない話」・「IPPON」・「ドキュメンタル」と、コント・漫才・トーク・大喜利・フリー芸とあらゆるジャンルの笑いを、松本は平等に盛り上げようとした。

これは「M-1」によって漫才に偏るお笑い界を是正する仕事であり、批判以上に評価に値するだろう。

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■「吉本興業の松本」への転換期

松本にも低迷期はあったわけだが、松本が大きくスタンスを変えた最初のきっかけは、「すべらない話」に見られる。

同番組は、千原ジュニアや宮川大輔・星田英利・「矢野・兵動」の兵動大樹など、ダウンタウンファミリーとは違った吉本のメンバーが多く出演している。

またトークの後には常に「すべらんなぁ~」と締める、昔の松本ならばやっていなさそうな手法を使い出しているだろう。

この辺りから松本も「吉本興業の松本」という立場を強めていき、石橋貴明も疑問を呈していたような「個人芸の笑い」とは違う「団体芸の笑い」が、お笑い界にも浸透していったと思われる。

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■関西・吉本一強状態からの転換点