あまりに攻め過ぎなハンコがネットで話題、「159桁の数字」が示す意味にネット上が驚愕

島根のハンコ会社が挑戦し続ける「ハンコの可能性」がネットで大きな話題に。同社にその思いを聞いた。

2023/12/20 05:15

小学校で覚えさせられた円周率。円周の直径に対する比であり、割り切れないため不規則に永遠と続く数字でおなじみだ。2023年3月時点では100兆桁まで計算されているという話もあるが、そんな円周率をハンコに彫ってしまった作品が、今ネットで話題を呼んでいる。


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■もはや神の領域…

「反響が少ないと職人がいじけて何も彫ってくれなくなるのでいいねお願いします!新作、円周率です!!!」とコメントを添え、円周率を彫ったハンコ写真を投稿したのはX(旧・Twitter)ユーザーの永江印祥堂さん。

1円玉と比較しているが、それよりも小さな直径1.2センチの円のハンコの中に、細かく円周率が刻まれている。記者が画面を拡大し目を凝らして数えてみたところ、見間違えてなければ、なんと159桁もの数字。どんだけの細かさだというのか…。しかも数字がきちんとした書体となっており、一つも潰れずに紙に押せているのも凄い。

これはもはや、人間の所業ではない。神の領域としか思えないが、しっかり手作業。職人さん、すごすぎぃ…!

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■「素晴らしい職人技」と反響

文句なしの神業への反響は多く、Xユーザーからは「素晴らしい職人技」「すごいのは全ての数字が綺麗に印字されてるところ」「もの凄い技術ですね!!職人さん!!頑張って」と感動の声が上がっている。

また「これで桁数を増やしていってギネスを狙うとゆうのは…笑」と少々鬼畜な提案も見られたが、その気持ちわからなくもない。

記者は、そんなハイレベルなハンコを作り続ける永江印祥堂を取材した!

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■通常の10倍の時間をかけて作製

作ろうとしたきっかけについて、同店担当者は「昨年10月、1.2センチの印章(ハンコ)の中に87文字を彫刻するという挑戦したことをきっかけに、沢山の注目を頂けるようになりました。その後、より細かい文字を彫刻したり、ユニークな印章に挑戦していく中で、Xフォロワーさんの『次はこれを彫ってほしい』という要望があり円周率のハンコを彫刻しました」(永江印祥堂)と語る。

その要望に見事に応えてしまったわけだが、今回の円周率のハンコの難易度は他の時と比べてどのくらいだったのか。

「通常作製する2文字程度の印章に比べて、約10倍の時間がかかっています。失敗を重ね、試行錯誤を繰り返してやっとのことで完成しました」(永江印祥堂)。

その時間はおおよそ2日程。長いのか短いのかわからないが、通常の10倍の時間とはやはり物凄い気合を入れているということか。とにかく血と汗の結晶だということはわかった。

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■こだわりは『美しい』と感じさせる文字配列

永江印祥堂【公式】さん

円周率のハンコは、文字編集、彫刻、手仕上げと3名の職人さんの力を合わせて完成した。今までの経験を生かした、20年以上の熟練の技により再現しているという。

永江印祥堂ではこれまで、直径1.2センチのハンコに永江印祥堂の紹介文87文字を彫刻した「あの印鑑」や、古典落語”寿限無”の108文字を彫刻した「寿限無さん専用印鑑」をはじめ、「百人一首印鑑」、7ミリ角の「二次元コード印鑑」などなど、様々なハンコづくりに挑戦し続けている。

そのようなハンコを彫っていて、大変な苦労があると思うが、実際にどのような難しさがあるのか。

「作業工程は企業秘密ですが、押印した時に文字がつぶれないように文字の配置に気を配り、文字の線の太さや彫りの深さを調整することがとても難しい作業になります」(永江印祥堂)。

逆にこだわりや、やりがいは?

「こだわりとしては、見た人に『美しい』と感じさせる文字配列です。やりがいがある所は、試行錯誤を重ねたうえで作品が完成したときの達成感です。引き続き皆様を驚かせるような作品を作製したいと思っております」(永江印祥堂)。

ちなみに永江印祥堂にはオンラインショップもある。興味がある方は、ぜひ覗いてみてほしい。

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(取材・文/Sirabee 編集部・黒森ぬぬ

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