末期がん患う母親に依存され逃げられない女性 「家を出たい」と葛藤するように
闘病中の母親にわがままを言われ、世話に追われてきた娘。「このままでは母にとっても良くない」と考え家を出ようとしているが、罪悪感は募るばかりだ。
父親も姉もいるのに、たったひとりで母親の世話を続けてきた20代の女性。家を出たい、でも母親を捨てたいわけではないと葛藤し、ネット掲示板に悩みを書き込んだ。
■親の世話に追われる日々
現在22歳の女性は、子供の頃から病弱な母親の世話に追われてきた。父親はいるが別居しており、姉たちも家を出てしまったため、料理、掃除、母親の薬の管理なども女性が全てこなしてきたのだ。
「母が頼れるのは、私ただひとり」というプレッシャーに耐える女性に、母親は追い打ちをかけ続ける。数年前には末期がんと診断されたが、「親の世話は子供がするもの」という考えに固執し、医療や介護の専門家に頼ることすら嫌がった。
■母親の生い立ち
訪問看護師や介護士を頼みたいと伝えても、母親は「他人に私の世話を押し付けたいだけでしょう」とひねくれる。それには、母親の生い立ちも関係しているようだ。
母親は幼い頃に自分勝手な実母に捨てられ、里親に育てられた。その後に実母と再会したが、子供だからといって優先してもらえることはない。愛情をかけられずに育った母親は、捨てられることを極端に恐れて生きてきたのだった。
女性もそれを理解してはいるが、「なぜ父や姉さんに頼らないの」「福祉サービスを利用してほしい」という気持ちは禁じ得ない。母親を助けるため同居し続けてきたせいで、誰もが女性を母親専属のケアラーのように扱うのだ。
■同居解消も視野に
体調悪化と体の痛みに苦しむ母は、「助けて、どうにかしてよ」と大声で怒鳴り散らすが、女性にはどうすることもできない。そこで必死に説得して病院に行かせたが、翌日に帰宅した母親は看護師に対する不満をぶちまけ女性を困らせた。
「もう疲れたよ」と本音を伝えたが、母親は「私のことを憎んでいるのね」と言うばかり。こうなったら家を出るしかない。自分が去れば医療のプロに頼むしかなくなるし、そうなれば自分にはできないケアに期待できる。そう考える一方で罪悪感に苛まれている女性が、ネット掲示板『Reddit』に投稿し、アドバイスを求めた。
■「支援団体に相談を」と助言
投稿を読んだユーザーらは、「まずは近くの支援団体に相談してほしい」「あなたはお母さんに十分尽くしたはず」「本当に気の毒でならない」といった意見を書き込んでいる。
あるユーザーは「同居を解消すれば家族から責められるかもしれないけれど、お母さんを捨てるわけじゃない」と書き、家族とうまく協力して母親を支えることを提案した。
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(文/Sirabee 編集部・マローン 小原)