2023年新語・流行語大賞トップテンにWBCで話題「ペッパーミル・パフォーマンス」 侍ジャパン快進撃の象徴に
2023年の「新語・流行語大賞」の年間大賞とトップテンが発表。野球での明るい話題が印象的な1年となった。
きょう1日、東京・東京會舘にて、「『現代用語の基礎知識』選 2023ユーキャン新語・流行語大賞 発表・表彰式」が行われ、2023年を象徴する流行語の年間大賞とトップテンが決定。3月に開催された「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」で話題となった「ペッパーミル・パフォーマンス」がトップテン入りした。
■「WBC」侍ジャパン快進撃の象徴
ペッパーミル・パフォーマンスは、日系人選手として初めて侍ジャパンのメンバーに選ばれたラーズ・ヌートバー選手が、所属するMLBセントルイス・カージナルスで行っている、コショウを挽く動きをするパフォーマンス。
「身を粉にして懸命に働く」という意味を込めてヌートバー選手が始め、カージナルスではおなじみとなっていた。
これを大谷翔平選手らほかの選手も取り入れて披露し、ベンチで流行したことから、ファンの間にも広まってブームに。世界一となった侍ジャパンの快進撃を象徴する言葉として、多くの野球ファンの印象に強く残った。
■年間大賞は「アレ(A.R.E.)」が受賞
また、年間大賞には「アレ(A.R.E.)」が選ばれた。38年ぶりの日本一に輝いた阪神タイガースの今季のスローガンで、岡田彰布監督が選手に優勝を意識させないよう「アレ」と表現したことをきっかけに、「Aim」「Respect」「Empower」の頭文字を取って決められた。
18年ぶりのリーグ優勝の直前には、関西各地で在阪マスコミからファンに至るまで徹底して、優勝を「アレ」と濁して表現する現象が、SNSでも「報道規制レベル」「ヴォルデモートみたい」などと話題になった。
■トップテン入りしたのは…
これら2語を含め、トップテンには以下のワードが入っている。
■新しい学校のリーダーズ/首振りダンス(制服を着た4人組ダンスボーカルユニット「新しい学校のリーダーズ」の楽曲「オトナブルー」の振り付けで、顔を左右に動かす「首振りダンス」がTikTokなどで流行)
■アレ/A.R.E.(阪神タイガースの今季のスローガン)
■OSO18/アーバンベア(北海道で放牧中の牛を次々と襲ったオスのヒグマのコードネーム。日本各地で市街地に出没する「アーバンベア(都市型クマ)」が増えた)
■蛙化現象(ずっと好きだった人が自分に振り向いた途端に好意が冷めるという現象の心理学用語。転じて、好きな人の些細な行動を見て気持ちが冷めてしまう現象)
■生成AI(テキストや画像などの学習データを読み込んでオリジナルのデータを生成するAI)
■地球沸騰化(世界の月間平均気温が過去最高を更新する見通しを受けて国連のアントニオ・グテーレス事務総長が発した)
■ペッパーミル・パフォーマンス(WBCで話題となったコショウを挽くパフォーマンス)
■観る将(インターネットやテレビで将棋の対局を観戦して楽しむ人。藤井聡太棋士の八冠達成で話題に)
■闇バイト(高額な報酬の代わりに、強盗や詐欺といった犯罪の実行役を一部分代行する行為で、若者が犯罪に巻き込まれるケースが増加)
■4年ぶり/声出し応援(コロナ禍による制限が廃され、高校野球やプロ野球、サッカーなどでも声出し応援が解禁された)
■支持を集めていたのは…
Sirabee編集部が全国の10~60代の男女1,000名を対象に実施した「新語・流行語大賞」に関する事前調査では、大谷選手がWBCでの米国との決勝戦の前に発した名言「憧れるのをやめましょう」が、17.9%と最も多くの支持を集めていたが、惜しくも選外に。
また、13.1%で2位の得票を集めた「チャットGPT」、4位の「推しの子」、5位の「藤井八冠」、6位の「X」もトップテン入りはならなかった。
野球や将棋などで明るい話題も増えた一方で、ノミネートされた30語には、環境問題や社会問題などの暗い話題もみられた今回の「新語・流行語大賞」。
来年はさらに明るい言葉ばかりが並ぶことを願いたい。
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(取材・文/Sirabee 編集部・しばたけろこ)
対象:全国10代~60代男女1,000名(有効回答数)