空港の入国管理職員が詐欺行為で逮捕 「優先レーン使用料」として金銭を要求
インドネシア・バリの空港で、入国管理職員が乗客に不当な金銭を要求していることがわかった。他にもATM詐欺なども横行しており、当局が注意を呼び掛けているという。
空港の入国管理職員が、乗客に優先レーンの使用料を要求していたという詐欺行為が発覚した。『DailyMail』や『Yahoo.com』がレポートしている。
■優先レーンの使用料を要求
空港には到着手続きのための通常レーンと優先レーンがあり、後者は高齢者や妊婦、介助を必要とする乗客のために設けられている。無料のサービスであり、乗客に対し費用は発生しない。
しかしインドネシア・バリにあるイ・グスティ・ングラ・ライ国際空港の入国管理職員5人が、優先レーンの使用料金として、10豪ドル~25豪ドル(970~2,400円)を乗客に請求。詐欺行為を働いたとして、逮捕された。
彼らは観光客をターゲットとしており、「高齢者や妊婦は無料だが、外国人観光客は料金がかかる」と説明していたそうだ。検察局の調べでは、月に1億~2億ルピア(約97万~191万円)を稼いでいたとみられている。
■汚職禁止協定に署名するも…
2019年、イ・グスティ・ングラ・ライ国際空港は、国際的な規制や規範を厳守するための「汚職禁止協定」に署名した。これは財政的な不正行為や腐敗行為を防止するための宣言であり、空港の管理者や職員が不正行為を働かないようにするための是正措置の意味があった。
空港当局は、以前より空港管理における新たなシステム導入を計画していたとみられる。『The Bali Sun』によれば、観光客へのスムーズな入国審査等のオペレーションのため、国際線ターミナルの到着口に60個、出発口にも30個の自動ゲートが設置されるという。
この対策では、混雑時の列の軽減や優先レーンへのプレッシャーを回避したい目的があり、2024年を目途に自動ゲートの運用開始を予定している。
■観光客に詐欺への注意喚起
バリは、自然散策やリラクゼーションなどで、年間約500万人以上の外国人が観光に訪れる。2023年9月までの調査では、このうちオーストラリアからの観光客が最も多く、約12万人を数えた。そのため、オーストラリア人が詐欺のターゲットになりやすいと、空港当局は指摘する。
最近では、バリ南端のリゾート地のスーパーマーケットに設置されたATMで、詐欺グループらしき男たちが目撃されている。同グループはATMに『故障』と貼り、カードスキマー機械を観光客が利用するよう細工。そして盗んだカード情報でショッピングの決済をしたり、現金を引き下ろしたりするのが手口だという。
インドネシア当局は、オーストラリア人観光客をはじめ外国からの旅行客に、この手の詐欺に注意するよう呼びかけている。
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(取材・文/Sirabee 編集部・本間才子)