突如現れたヤマト配達員、手にした物体に目を疑うが… まさかの「神対応」に称賛の嵐
佐川急便の集荷作業中に、なぜかヤマト運輸のドライバーが犬を連れて登場。あまりに優しすぎる「神対応」に、称賛の声が相次いでいる。
■登場人物、全員善人
ポスト投稿主・ブルータルファーマーさんは、ことの経緯について「毎日野菜の出荷でヤマトさんに大変お世話になっており、今回の配達員のお兄さんとは知り合いです」「また、偶然その日は製麺屋さんに玄麦を納品してうどんを作ってもらうため、重量物で契約している佐川さんがお昼前に集荷に来ていました。佐川のお兄さんも地元の方で、何年も前からお世話になっています」と説明する。
つまりブルータルファーマーさん自身は元々、2社のドライバーと顔馴染みだったのだ。
佐川の担当者と共に集荷作業に勤しんでいると突如、犬を連れたヤマトの配達員が登場。その際、ブルータルファーマーさん一家は「知人の家の犬に似ている」と感じたそうだ。
ヤマトの配達員は付近をトラックで走行中、長いリードを引きずりながら歩いている犬を発見。放っておけなくなり、その場で保護したという。そして「この時間帯、確実に人がいる」と確信し、顔馴染みのブルータルファーマーさんの家に犬を連れてやって来た…というワケである。
犬に心当たりのあるブルータルファーマーさん家族だが、過去に犬を飼った経験がないため、ヤマトの配達員と共にややパニック状態に。すると、佐川の配達員がこのタイミングで覚醒。「おれの家、犬飼ってるんで」と親切に、犬を保護した際のアドバイスをしてくれたのだ。
その後は心当たりのある家族との連絡がつくまで、ブルータルファーマーさん家で犬を保護することに。数時間後には先方との確認がとれ、犬は無事に飼い主の元へと帰っていったという。
ブルータルファーマーさんは当時の様子について「(犬は)飼い主さんを見るととても喜んで、リードを外す背中に飛びついていました。私はちょっとだけウルッとしました」と振り返っており、聞いているこちらまで目から汗が…。
一連の救出劇は佐川の配達員、ブルータルファーマーさんの家族と、役者が1人でも欠けていたら成功しなかったが、MVPを1人あげるとしたら、やはりヤマトの配達員になるだろう。
ブルータルファーマーさんも「とにかく、ヤマトのお兄さんの優しさに感動しました。ここ最近(当時)、他のお兄さん方も心配になるくらいお疲れになるほど業務に追われている状況だったにも関わらず、ワンちゃんを保護した彼の純粋な優しさが素晴らしいと思いました。私だったら同じことができたか分かりません」と、登場の心境を明かしている。
続いては一連の事実確認を踏まえ、「ヤマト運輸株式会社」に話を聞いてみると…。
■ヤマト運輸は「事実です」
前出のエピソードの真偽について、ヤマト運輸からは「事実でございます」との回答が。
担当者は「当社社員が集配業務中に彷徨っている犬を発見し、事故など万が一のことがあってはならない、と取り急ぎ保護しました」「定期的に集荷に伺うお客さま(ブルータルファーマーさん)にご事情をお話したところ、お客さまのご厚意で犬の保護を引き継いで頂きました」とも補足している。
多くの人々から称賛の声が寄せられた「神対応」の背景には、同社の教育方針や理念が、少なからず影響していることと思われる。
ヤマト運輸担当者は「当社社員の行ないに対し、多くの反響を頂きありがとうございます」と感謝の言葉と併せ、「ヤマトグループには、企業理念に基づき日々の行動の中でとるべき社員としての考え方や、あるべき姿を定めた『社員行動指針』がございます。模範となる取り組みについては、社内に共有をしています」「当社は全国で地域に根差した活動を行なっており、地域の皆さまの安全や安心を確保することは、重要な責務であると考えております。今後も地域社会により愛される存在となるために、尽力してまいります」と、真摯なコメントを寄せてくれたのだ。
奇しくも昨年11月にも、脱走した飼い猫を保護するヤマト運輸の「神対応」がX上で話題となっていた。同社では荷物だけでなく、人々の心に「安心」や「信頼」を届けているのだ。
■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。
・合わせて読みたい→出前館ドライバー、注文した寿司を素手で触り始め… 本社は「事実です」と謝罪
(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)