秋葉原の“コンキャバ”で繰り広げられる「キャスドリ争奪戦」、一部で悪質行為も…
秋葉原で人気を集めるコンセプトキャバクラ、通称コンキャバ。その内部では女同士のバッチバチなバトルが…。
東京・秋葉原にはメイドカフェ&バーとアピールしつつも、実際には風営法の届けを出しているコンセプトキャバクラ、通称・コンキャバが複数存在しているが、その一部では女性従業員(以下、キャスト)同士の争いが激化しているという。
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■コンキャバの隆盛
アキバ名物の一つであるコンセプトカフェ。リーズナブルで利用しやすかった一般的なメイドカフェやコスプレカフェが勢いを失いつつある中、ここ数年は“夜のアキバ”を舞台に、酒と会話をメインにしたガールズバー形態の店が勢力拡大を遂げており、最近ではキャバクラをメイド・コスプレカフェバー側にコンセプトを寄せたキャバクラが複数出現し人気を博している。
観光客や一見客は、これらをまとめて「秋葉原のメイド・コスプレ喫茶カルチャー」と見てしまうが実際には文化の本流ではない。それゆえキャストと隣同士に座るVIP席完備の店や、ボディタッチ行為アリな店を宜しくないと見る古参のアキバ通たちも多い。
■キャスト同士の競争に…
勢い増すアキバのコンキャバ。とある店舗の元従業員男性が、コンキャバで働くキャストたちの裏話を明かしてくれた。
「どのコンキャバも時給制で、その他にお客さんからもらうお酒、いわゆるキャストドリンク(以下、キャスドリ)の売上バックを給料に加算するシステムを採用し、キャストのモチベーションを上げさせています。
私がいた店ではキャスドリやボトルのバックは25%。ボトルはそうそう出るものではないので、酒に強いキャストたちは、『乾杯』や『飲みゲーム』を提案して何杯もキャスドリをおねだりしてました。特に量の少ないテキーラなどは人気。一気に飲めば終わりなので…。スタッフのバックルームでは『〇〇ちゃんは同じ卓にいたのに一人だけ4杯もゲットしていた。ズルい!』みたいな嫉妬の声もよく聞こえましたよ」(元従業員)。
■飲めないキャストのための「ヘルプ要員」
これまでのメイドカフェには存在しなかった「キャスドリ争奪戦」。やはりキャスト間のトラブルも少なくないようで…。
「風営法では『18歳未満の者が接待する行為』が禁じられていますので、18歳、19歳のキャストも複数いました。一方で20歳未満の飲酒は法律で禁止されているため、彼女たちはキャスドリをもらってもソフトドリンクしか飲めず、大量にバックを得ることができない。
なので彼女らはシャンパンをねだります。客から注文が入れば、“飲み要員”である20歳以上のキャストをヘルプとして卓に向かわせ、複数人でシャンパンを空けさせるわけです」(元従業員)。
こういうケースの場合、飲み要員には売上バックが入らず、完全なサポート役に徹するしかないという。
「実際、不満の声がよく上がってました。若くてちやほやされ、高額バックをゲットした子のために、『なんで私らが無意味な酒を飲まないといけないのか』と。テーブルでは笑顔でも、バックルームでは完全無視というケースもあり、裏ではバッチバチな女同士の戦いなわけです」(元従業員)。
■キャスドリの「水増し」
前出・元従業員の男性は、一部でモラルを欠いたキャストがいたことも明かす。
「自身のバックを上げるため、キャスドリの“水増し”を行っているキャストもいました。グループ客が来ると、キャストを多く付かせるので、長時間酒を楽しんでいるとどうしても合計で何杯キャスドリをご馳走したか曖昧になってしまいます。
会計時、キャストが伝票をもってレジに行くわけですが、その間に伝票にあるキャスドリ欄の『正の字』を自分の部分だけ1、2本足していたのです。もちろん店はそんな指示をするわけもなく、完全に自分のバックのためだけの最悪な行為。時には同じ卓に付いたライバルのキャスドリを減らして自分を増やすということもやっており、結局その子はクビにしました。真面目に働いていた子が、そんなカオスな状況を目にして突然辞めるケースもありましたね」(元従業員)。
キャスト同士の足の引っ張り合いに、客が巻き込まれるのだったらたまったものではない。
■執筆者プロフィール
キモカメコ佐藤:1982年東京生まれ。『sirabee』編集部取材担当デスク。
中学1年で物理部に入部して以降秋葉原に通い、大学卒業後は出版社経て2012年より秋葉原の情報マガジン『ラジ館』(後に『1UP』へ名称変更)編集記者。秋葉原の100店舗以上を取材し、『ねとらぼ』経て現職。コスプレ、メイドといったオタクジャンル、アキバカルチャーからスポーツまで精力的に取材しつつ、中年独身ひとり暮らしを謳歌する。
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(取材・文/Sirabee 編集部・キモカメコ 佐藤)