25メートルの巨大水槽崩壊事故の捜査が打ち切り 壊れた理由は判明せず

ベルリンのホテルにあった巨大水槽の崩壊事故について、捜査が打ち切りに。仮設を立てた専門家も、原因を特定できなかったという。

水槽・水族館・魚

2022年12月に、ドイツのホテル内にある円柱型の巨大水槽が破裂した事故について、このたび検察当局が「原因は不明」として捜査を打ち切った。『ABC News』『SF Gate』などが伝えている。


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■巨大水槽が崩壊

ドイツ・ベルリンにあるラディソン・ブル・ホテル内に設置されていた巨大水槽の水族館「アクアドム」が2022年12月16日未明に破裂し、100万リットル(26万4,000ガロン)の水が建物と外の道路に噴出。数人が軽傷を負った。

この崩壊事故について、ベルリンの検察当局は10月17日に「水槽が破裂した理由が専門家の報告書でも特定できない」として、捜査を打ち切ったことを発表した。

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■原因は特定できず

報告書を手がけた専門エンジニアのクリスチャン・ボーテンさんは3つの仮説を提示したが、「そのいずれをも証明する明確な証拠はない」とした。

その仮説とは、「円筒をつなぎ合わせている接着剤の継ぎ目の破損」「2020年にリニューアルした際に水槽の底がへこんで破損した」「リニューアル後に水槽に水を補給する速度が遅すぎたために、アクリルガラスの壁が乾燥したため」の3つが考えられるそうだ。

検察は声明で「原因が特定できない以上、誰に責任があるのか手がかりがない」と述べ、意図的な犯行の疑いはなかったと結論づけた。

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■再建予定はなし

アクアドムは2003年に完成し、内部の高さ約25メートルの水槽は「世界最大の円筒形水槽」としてギネス世界記録に認定されていた。しかしこの事故で施設が壊れてしまったため、再建の予定はないという。

事故の調査報告書によると、水槽の破裂時に中にいた1,500匹の魚のほぼすべてが死滅したが、「水槽の底にいた数匹の魚」は助かったそうだ。

魚のうち僅かに生き残ったのは、ホテルのロビーにある別の水槽にいた約400〜500匹の小さな魚のみだったという。

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(文/Sirabee 編集部・ジェス タッド

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