非番のパイロットが航空機の操縦席に乱入 幻覚物質の摂取による錯乱が原因
非番中のパイロットが航行中に操縦席で危険行為を行い、逮捕された。幻覚物質を摂取し判断が鈍っていたという。
非番中にも関わらず操縦席に入り、航行中の航空機のエンジンを止めようとしたパイロットが逮捕された。幻覚作用のある物質を摂っていたことが明るみになっている。『AFP』や『ロイター』が伝えた。
■非番中の凶行
アメリカ人パイロットのジョセフ・エマーソン被告(44)は、アラスカ航空の航空機の操縦席に入り、パイロットからハンドルを奪ってエンジンを止めようとするなどの危険行為をした。
この日、エマーソンは非番で、業務の一環としてワシントン州エバレットとサンフランシスコを結ぶグループ会社のホライゾン航空が運航する便に搭乗。客室乗務員用の補助シートに座っていたが、離陸後に犯行に及んだ。
そしてオレゴン州ポートランドに緊急着陸したのち、逮捕された。
■格闘の末拘束
エマーソンはパイロットと談笑したあと、機内の緊急消火システムを作動させ、エンジンへの燃料を遮断するための2つの赤い非常ハンドルを掴んで引こうとした。
これに気づいたパイロットと格闘の末、エマーソンは操縦席から出され、客室乗務員によって手首を拘束された。
その後、同機のパイロットが緊急着陸することを決定し、ポートランドの空港に安全に着陸したという。
■幻覚で錯乱状態に
現在、エマーソンはオレゴン州において、83件の殺人未遂、83件の無謀な危険行為、1件の航空機の危険行為で起訴されている。
裁判では、幻覚作用のあるマジックマッシュルームを摂取し、錯乱状態に陥っていたことも明らかになった。
刑事告訴状によると、エマーソンは「40時間寝ていなかった。夢を見ているようで、とにかく目を覚ましたいので、両方の非常停止ハンドルを引いた」と、当時の状況を振り返ったという。
この事件を受けてアラスカ航空は、エマーソンについて「無期限で乗務から外され、すべての職務から解かれた」と発表した。
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(文/Sirabee 編集部・ジェス タッド)