アマゾンで100頭以上のイルカが死亡 39℃を超える水温上昇が原因か
ブラジル・アマゾンの湖でイルカが大量死した。専門家は干ばつや湖の水温上昇が原因と示唆している。
南米ブラジルのアマゾナス州で、100頭以上のイルカが死亡しているのが発見された。専門家は、干ばつと湖の水温上昇が原因と示唆している。『CNN』や『USA Today』などが伝えた。
■水温が39度まで上昇
ブラジル科学省が資金援助している研究施設「マミラウア研究所」によると、ブラジル北部のアマゾナス州にあるテフェ湖で、100頭以上のイルカが死亡しているのが見つかったという。
同研究所は、これほど多くのイルカの死亡は「極めて異例」であるとし、湖が日によっては約39℃と高水温だったことと、アマゾンの歴史的な干ばつが原因である可能性を示唆した。
このことは、アマゾンの自然環境に対する開発の影響について、研究者たちが行ってきた警鐘に拍車をかけることになりそうだ。
■イルカの保護に難題
現在、世界最大の水路であるアマゾン川は乾季にあり、生息する動物たちは記録的な水温上昇に苦しんでいる。
『CNNブラジル』によると、研究者や活動家たちは、生存しているイルカたちを郊外の浅瀬や池から、水の冷たい川本流に移し救出しようとしているが、人里離れた地域のため作業は容易ではないという。
「マミラウア研究所」の研究者アンドレ・コエーリョさんは、「カワイルカを他の川に移す前に、毒素やウイルスなど水質チェックする必要がある。移動することはイルカにとってそれほど安全ではない」と語っている。
■干ばつが続く予想
今年に入って、アマゾン川の干ばつはブラジル経済にも大きな影響を与えている。アマゾナス州の59の市町村では川の水が不足する状態が続いており、河川での輸送と漁業活動の両方に支障をきたしているそうだ。
今後数週間はさらに深刻な干ばつが続くと予想されており、結果さらにイルカが死亡する可能性があるという。
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(文/Sirabee 編集部・ジェス タッド)