小学校の敷地の裏で警察がガス訓練 学校への連絡忘れ生徒が目や鼻の痛み訴える
ガス訓練で使用された催涙ガスが、近隣に流出…。校庭で遊んでいた小学生たちが緊急避難する事態になった。
アメリカ・モンタナ州の警察組織が敷地内でガス訓練を行ったところ、隣接する小学校で異臭騒ぎになり、目や鼻の痛みを訴えた子供たちが医師の治療を受けた。警察は学校への連絡を忘れていたという。
■催涙ガスを使った訓練
10月、モンタナ州で主に高速道路の交通安全を監督する警察組織であるハイウェイパトロール(MHP)が、暴動鎮圧のための演習として催涙ガスを使用した訓練を行っていた。
しかし、ガス訓練を行うことをあらかじめ近隣のボルダー小学校に伝え忘れていた。そのため、昼休みに校庭で遊んでいた3年生と4年生の生徒の一部が、目や鼻の痛みに苦しんだという。
■近隣の小学校にガスが…
ボルダー小学校のダグ・リチャーズ校長は、保護者に宛てたメッセージの中で「午後の休み時間に、生徒と大人たちが数回『バン』という音を聞いた」と述べた。
また「その直後、学生も大人も異臭を訴え始め、中には息が苦しくて目や鼻が痛いと訴える人もいた」とも述べ、職員たちは生徒たちを校庭から屋内に移動させ、ただちに顔を洗うよう指示したと伝えた。
その日は学校に2人の看護師が来ており、牛乳を与えられたり鼻をかんだりする生徒がいたが、それ以上の治療を必要とする者はいなかったそうだ。
■警察は校長に謝罪
リチャーズ校長はメディアのインタビューで、訓練を指揮していたMHPの軍曹と話をしたところ、軍曹は愕然として様子で謝罪をしたと述べた。
また、ガス訓練は小学校から遠く離れた場所で行われていたが、MHPはリチャーズ校長に「今後のトレーニングについては必ず確認して連絡する」と約束してくれたと語った。
■十分な距離は取られていた?
異臭騒ぎを受けてMHPはその日の夜に声明を発表しており、「訓練が行われた地域は小学校から1,800フィート(約550メートル)で、原因となる物質が通常届く範囲をはるかに超えています」と釈明している。
一方で「MHPはボルダー住民との継続的なパートナーシップに感謝しており、将来の混乱の可能性を最小限に抑え、被害を軽減するための措置を講じる予定です」と、何らかの対策を行うつもりであるとしている。
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(文/Sirabee 編集部・びやじま)