「ホワイト企業」を辞める若手社員増加、一体なぜ… 令和の若者が求めるものとは
「職場がホワイトすぎて辞める」──。そうした若者は増えているのか、取材した。
サービス残業なし、休日出勤なし、仕事の負荷も軽くプライベートな時間に当てられる──。いわゆるホワイトな企業で働きたいと思う人も多いのでは。
ただ、最近は職場がホワイトすぎて辞める若手社員が増えているようで…。
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■ホワイトすぎて辞める?
長時間労働やパワハラなどブラックな職場環境を苦に退職するケースは、ニュース等で耳にしたことがあるはず。コンプライアンスを重視する時代の流れもあり、少しずつ「ブラック企業」が減り、ホワイトな職場も増えた。
残業や休日出勤がなく、厳しい上司もいない職場は理想に見える。だが、一部のメディアは、若手社員が「ホワイト」であることを理由に退職していると報道。
実際、そうした理由で辞める若手社員はいるのか。ハラスメント研修を多数実施し、企業の事情にも詳しい社会保険労務士法人レクシードの代表・鈴木教大氏に話を聞いた。
■ホワイトな職場に不満の理由
鈴木氏によれば、昭和・平成・令和と時代の移り変わりと共に、職場環境も変わっているという。
「昭和は、24時間会社のために働くのが当然という風潮が強かったです。平成の終わりには、仕事とプライベートを明確に分け、残業がない会社を求める若手社員が増えました。企業側もそうした働き手の需要を受けて、長時間労働を是正するようになったんです」と話す。
ホワイトな職場は社員の不満もないように思える。しかし、20代半ばまでの若手社員の中には、そうした環境に不安を覚える人が少なからずいるという。
「社会人になった同期や同級生と会い、成長した姿を見て、『自分はこのままで大丈夫なのか』と置いて行かれる感覚を抱き、将来に不安を持つんです。また、現在の若手社員は40~50代になって『使えない人材』と思われたくない気持ちも強く、自己成長意欲が高くなっています」(鈴木氏)。
つまり、現状への不満や自己成長意欲の高さが、ホワイト企業を離職することにつながるということだ。
■「自分の価値を高める会社へ」
かつては、入社したら定年まで働くのが一般的だった。だが、昨今は早い段階で転職する人も少なくない。
こうした考え方の変化も、ホワイト企業を離れる理由の一つのようだ。鈴木氏は、「特に、20代は1つの企業で長く働くよりも、自分の価値をさらに高められる会社へ転職する傾向があります。社内で研修を実施したり、早い段階で昇進できるような会社を選ぶ傾向があります。昨今の若手社員は、自己成長、やりがい、他者からの承認を求める印象です」と指摘する。
自分が本当に成長できる会社で働きたいという思いが強いのだろう。
長時間労働を是正し、ホワイトな職場環境にしても不満を感じる人は出る。企業側も、働き手の変化に敏感になり、社員が本当に求めるものを把握する必要があるのかもしれない。
■執筆者プロフィール
斎藤聡人:1991年生まれ。『Sirabee』編集部記者。
某週刊誌の芸能記者を経て現職に。ジャニーズネタなど、芸能ニュースを中心に様々なジャンルを取材する。
チェーン店からローカル店まで様々な飲食店をめぐり、グルメ記事も手がける。仕事も兼ねた毎日のドラマ鑑賞が日課。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人 取材協力/社会保険労務士法人レクシードの代表・鈴木教大さん)