3メートル超のワニが署内に突入 警察が専門家に「助けて!」と救援要請
南アフリカで、警察から救援要請を受けた地元民と専門チームが、巨大ワニを捕獲した。本来住む自然に帰すという。
■警察が救援要請
10月18日、南アフリカ・クワズール・ナタール州マンディニの南アフリカ警察署内に、11フィート(3.3メートル)の超巨大ワニが侵入。警察が専門家へ救援を要請する事態となった。
要請を受けた非営利団体「IPSSサーチ&レスキュー」が出動し、警察署の裏庭に潜むワニを確保したという。
■地元の捕獲名人も参加
IPSSサーチ&レスキューの担当者は「奇妙な通報を受けることに慣れているが、昨夜は最高の通報だった」と語り、自社のFacebookでも紹介。普段、通報に駆けつける側の警察が助けを求めた珍しい話は、一気に世間に広まった。
また地元のワニ捕り名人も、捕獲作戦に参加。同団体は「極めて特殊な状況であったため、ワニを安全に捕獲した経験を持つ地元のアシュトン・マスグレイブさんに支援を要請することをしました」と投稿で述べている。
地元のサトウキビとマカダミアの農家を営むマスグレイブさんを中心に、IPSSサーチ&レスキューのチームはワニを安全に捕獲し、車の荷台に積み込むことに成功したという。
■ワニは保護対象
ワニがどのようにして警察署に迷い込んだかについて、専門家は「カバやワニの楽園と呼ばれるトゥゲラ川が近くにあり、下水処理場をつたって移動してきたと推測される」とし、捕獲後に性別や年齢など個体の確認をしている最中だと語った。
南アフリカでは野生生物は保護対象にあるため、危険な動物であっても地域社会と協力して、安全な場所に移動させることが義務付けられている。この地域では、野生動物を密猟して逮捕される事例も少なくないそうだ。
今回捕らえられたワニは、国立公園のあるイシマンガリソ湿地公園とシュシュルウェ・イムフォロジ公園にほど近いフルフルウェの原生地域に帰されるという。