ホテル客室の気に入った「備品」を手に入れる方法 …もちろんお金は払います
【鈴木貴博『得する経済学』】おしゃれホテルに宿泊して、そこで素敵な備品を目にすることってありますよね。今回はそんな備品の入手の仕方…でも安心してください。払っています。
「ここのホテルのスリッパ、本当に履き心地がいいな」
「わたしはこの九谷焼の急須が欲しいわ」
なにやら不穏な会話に聞こえますね。安心してください。そっち方面の話ではありません。
インバウンドのお・も・て・な・しブームで、最近のホテルの部屋は本当に居心地がいいですね。コロナ禍以降、わたしはワ―ケーションを楽しむことが増えています。観光地に出かけて、昼間はリモートで仕事をして、夕方から夜にかけて観光地を巡るスタイルです。
これまでの出張と違って部屋に滞在する時間が長い分、宿泊するホテルのグレードはそれなりのランクを選ぶのですが、そうすると部屋の内装から備品に至るまで、非日常的に素敵なものになることが多いのです。
それで冒頭のシーンのように、ホテルの部屋の備品が欲しくなるわけです。
■ホテルから持ち帰ってもいいのは消耗品だけ
わたしはホテルのコンサルティングをしたこともあるので知識として知っていますが、ホテルにとっては備品を持ち帰る迷惑客はそれ自体、ひとつの経営課題になっています。基準としてはチェックアウト後に捨てて入替えるような消耗品は持ち帰ってOKですが、繰り返し使うものを持ち去るのはNGです。
高級なホテルではロビー階のショップで備品を売っていることもあります。ホテルのロゴのついたバスローブが2万円みたいな形で売られています。ある大手ホテルではお客様が勝手にバスローブを持ち帰ると、
「お買い上げありがとうございます」
と、メールを送った上でデポジットのクレジットカードから代金を引き落としたりします。お気をつけて。
■名物の九谷焼は金沢市の老舗から購入したもの
さて、今回わたしが泊まったホテルのショップでは備品が売られていませんでした。それでホテルの従業員の方に、
「この備品、どこかで手に入りませんか?」
と訊くことにしました。
金沢のホテルだったので九谷焼の急須はすぐにお店を教えていただきました。繁華街として知られる香林坊にある老舗の焼き物屋さんで扱っている商品だそうです。
さっそく教えてもらったお店に出かけたら、ありました。そっくりな急須が。念のためスマホの画像を比較して確認していたら、お店の人が慌てて止めにきました。こういった芸術品はスマホの撮影禁止なのです。
「すみません。写真を撮ろうとしたのではなく、写真と比較していたんです」
と話し、無事誤解はとけました。
■販売店がわからなくても画像があれば…
一方でメッシュのサンダルの方は業務用の商品らしく、ホテルのフロントでもどこから仕入れたのか情報がないようです。
さてそんなときはグーグルの画像検索が便利です。クロームの画像検索の検索窓の右側に「画像で検索」のボタンがあるので、それを押すと「ここに画像をドラッグ」という表示が出ます。その通りに操作すると似た商品の画像が一斉に表示されます。
最初にヒットしたのが通販大手のベルメゾンの「メッシュ素材の洗える幅広スリッパ」でしたが、細部のデザインがちょっと違います。そうやってチェックしていくと、どうやらオクムラという会社の業務用・洗えるメッシュスリッパの画像がほぼ一致することが判明。
あとはアマゾンや楽天などショッピングサイトで検索しなおせば商品ページが出てきますのでポチるだけです。今ではわたしの事務所の室内履きとして愛用しています。便利な世の中になったものですね。
■著者プロフィール
Sirabeeでは、戦略コンサルタントの鈴木貴博(すずきたかひろ)さんの連載コラム【得する経済学】を公開しています。街角で見かけるお得な商品が「なぜお得なのか?」を毎回経済理論で解説する連載です。
今週は「ホテルで見かけた備品をゲットする方法」をテーマにお届けしました。
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(文/鈴木貴博)