実家を出た大学生に「優しい母親」派遣サービス フルサポートでホームシック知らず
遠くの学校に進学したわが子の新しい生活を、心配する親は大変多い。そして子供も心細さを感じている。そこに目を付けたビジネスが、アメリカで好評だ。
自宅から離れた学校への入学が決まったアメリカの大学1年生たちにとって、緊張と期待に満ちた新生活が始まった。独り暮らしに内心ワクワクしている人もいるだろう。だがふとした瞬間、ホームシックに襲われることも…。
そんな人にとってちょっと新しい解決方法が話題になっていることを、『PEOPLE』『ウォール・ストリート・ジャーナル』などが伝えている。
■進学で実家から離れると…
アメリカの新学年は、秋からスタートする。あえて自宅から離れた州の大学に進むことが多い同国の大学1年生たちは、新しい教育環境や寮生活に少しずつ慣れてきた頃だろう。
緊張が解けると友人作りも進み、週末のパーティも楽しみに。とはいえ、体調を崩したりすれば「そばにママがいてくれたら」と感じ、勉強の疲れなどからホームシックに陥る学生も少なくないという。
■24時間フルサービスのお値段は?
そんななか、マサチューセッツ州のボストンでは、1990年に設立されたCSS(Concierge Services for Students Boston)という組織の24時間体制の派遣サービス『 A Mom Away From Home』が好評を博している。
「自宅から離れて暮らす学生さんのため、ここにも優しいお母さんがいますよ」という趣旨で、フルサービスを利用するなら年間契約料は1万ドル(約149万円)。利用者の数は増える一方のようだ。
■実家の親の心配をも解消
具体的には、寮に入らない入学生の不動産探し、空港からの送迎、健康医療の相談、学習の個別指導、履修科目の選択と登録。そして生活面では、家事や食料品の買い物の方法を教え、銀行の手続きなどをサポートする。
経営者は、新生活のスタート後にわが子の元を訪ね、世話を焼く親が意外と多いという実態に気づき、2019年にそのビジネスを始めてみた。すると、みるみる評判が広まり登録者が増えたという。
■「やってあげすぎ」の問題も?
母親と同年代の女性があれこれ相談に乗り、日常生活をサポートし、新生活の不安を解消してくれる『Concierge Services for Students』。顧客の75%が大学生だといい、これまで家事らしきことをしたことがないという若者ばかりだ。
そのため、彼らが派遣された「お母さん」にアイロンがけ、炊事、洗濯、掃除までしてもらおうとするなら、自立できていない「大きな子供」になってしまうとして、世間からは批判の声もあるようだ。
・合わせて読みたい→「母親を老人ホームに入れたい」兄らと意見が合わず… 遠方で暮らす妹が困惑
(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)