同時期に乳がん宣告された母と娘 闘病乗り越え「他人事と思わないで」
50代の母親と30代の娘が、そろって乳がんに。母親は最初こそ自分の葬式について考えるほど不安な気持ちになったというが、今は前向きに治療を受けている。
母親の闘病開始と同時期に、娘も「がん」という診断を下された。つらい治療を受けた親子について、『Metro』などイギリスのメディアが紹介している。
■大きくなったしこり
イギリス・ケント州ベザーズデンで暮らすジャン・ジェフリーさん(59)がある日、胸にできた小さなしこりに気づき、病院で検査を受けた。医師が「加齢によるもの、心配ない」と診断したことから安心し、「嚢胞(のう胞)なのだろう」と考えたという。
その後しこりは徐々に大きくなったが、ジャンさんはそれを数ヶ月放置。ようやく病院で再検査を受けたところ、「乳がんです」と宣告された。
■30代の娘も乳がんに…
病名を聞いたジャンさんはショックを受け、葬式のことまで考えたそうだ。しかししばらくすると「60年近く生きたし、良い人生だった」「子供たちも成長したし孫だっているんだから」と、前向きに考えるようになった。
「早死はしたくない」「でも病気になったのが子供ではなく私で良かった」とも思っていたのだという。
ところが約2週間後、ジャンさんの娘のファーン・マクステッドさん(35)が、「胸にしこりがあるの、一応検査を受けに行くつもり」と言い出した。3児の母でもあるファーンさんはその後に病院に行き、「乳がん」と診断された。
■家族に支えられた日々
ファーンさんが病名を知った翌日には治療を始めたジャンさんは、「ファーンに付き添ってやることができないかも」と考え、落ち込みもした。それでも夫のコリンさんら家族に支えられ、手術と治療に耐え抜いた。
ファーンさんのほうは乳房切除術のほか化学療法と放射線療法を受けたが、優しい夫のマークさんと子供たちがしっかりサポート。母子ともに、愛する家族に支えられて前向きに治療に取り組むことができたという。
■「ぜひチェックを」と助言
ジャンさんとファーンさんは今も病院に通っているが、気持ちは前向きで悲観してはいない。ファーンさんのほうはこの経験を活かすべく、がん患者の気持ちに寄り添うカウンセラーになる訓練を受ける予定だという。
つらい経験をしたふたりは、「自分には無縁だと思うでしょう」「でも少なくとも毎月チェックしてほしい」「乳房だけではなく、両脇や胸の周辺、鎖骨のあたりも触って確認することが大事」と呼びかけている。
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(文/Sirabee 編集部・マローン 小原)