イギリスでロシアのスパイ5人が起訴 隣人の評判は「フレンドリーでおしゃべり好き」
イギリス在住のブルガリア人である5人が、ロシアのスパイとして摘発された。普通の市民に紛れていたという。
イギリス在住のブルガリア人である5人が、2020年8月から今年2月にかけてロシアのためにスパイ活動を行ったとして、同国の検察庁に起訴された。5人は普通の市民として、社会に溶け込んでいたという。
『The Guardian』や『Independent』が伝えている。
■ロシアのスパイ摘発
ブルガリア人の男3人と女2人が、「ロシアに直接的または間接的に役立つ情報収集を共謀した」罪で起訴された。
オルリン・ルセフ(45)、バイザー・ジンバゾフ(41)とカトリン・イワノヴァ(31)は、初公判のため26日にロンドンのウェストミンスター治安判事裁判所に出廷。
それにイヴァン・ストヤノフ(31)とヴァーニャ・ガベロヴァ(29)も加わり、5人とも同じ罪で起訴されている。
イギリスの裁判所でスパイ行為が起訴されることは非常に稀で、外国人によるスパイ行為は国外追放で処理されることが多い。
しかし昨年2月のロシアによるウクライナ侵攻によって、イギリスとロシアの関係は急激に悪化した。
■普通の職業に紛れて
ルセフ、ジンバゾフ、イワノヴァの3人は、イギリスでさまざまな仕事に就き、郊外の物件に住んでいた。
ルセフは以前に技術職に就いていたことが分かっており、2009年にはネットワークエンジニア、その後にソフトウェア開発者や人工知能会社のオーナーだった。
またジンバゾフは病院の運転手で、血液銀行で血液を運んでいた。Facebookにナイトクラブやパーティの動画をいくつか掲載し、ライブストリームでブルガリアの学生たちに英語を教えている。
■気さくで社会貢献も
イワノヴァとジンバゾフは夫婦で、隣人には「マックスとケイト」として知られていた。隣人によると、夫妻は海外旅行や裏庭でのバーベキューを楽しんでおり、ジンバゾフは友人と自宅でよくウェイトリフティングに興じていたという。
2人はブルガリア人駐在員の投票を支援する選挙管理委員会で働くなど、社会貢献活動にも積極的だったようだ。ある住民は2人について「フレンドリーでおしゃべり好きな、普通の隣人」と語る。
一方で、異なる見方をしていた隣人もいる。ダリア・カホライフさんは「友好的な隣人が多い中、私たちは一度も彼らと交流したことがなかった。
彼らが日頃から人を避けて生きてきた人たちであったことを、物語っています」と話している。
・合わせて読みたい→在中邦人の新たな危機 改正反スパイ法が来月から施行さらなる拘束の恐れ
(文/Sirabee 編集部・ジェス タッド)