ジャニーズ“ゆかりの味”と愛された料理店が突如「全店閉店」 取材続けると新展開が…
ジャニーズ関係者が通った名物中華料理店「とらの子」が8月に閉店。その後、蒲田にある店舗を見に行くと再開しており…。
ジャニーズ若手タレントたちの行きつけだった中華料理店「とらの子」。東京・蒲田で2店舗を運営し人気を博していたが、8月31日に突如閉店を発表。いま店の跡地はどうなっているのか。リサーチしたところ新事実が明らかになった。
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■ジャニーズ若手と「麻布十番」の関係
地方出身タレントの通学などをサポートするため、ジャニーズ事務所が都内に複数用意していた「合宿所」。その一つが東京・港区の麻布十番(あざぶじゅうばん)の合宿所だ。
元ジャニーズの俳優・川崎麻世も2015年11月25日配信『東京新聞』のインタビューで当時の生活を明かしつつ、「ジャニーさんに初めてお会いしたのも麻布十番でした。そう考えると、麻布十番は僕が本格的に芸能生活を始めたスタート地点」と語っている。
同地にはレッスン場もあり、そこを行き来する若手たちが足しげく通ったのが、当時麻布十番にあった中華料理店「とらの子」。
V6元メンバーの長野博は『TOKIOカケル』(フジテレビ系、2023年9月番組終了)出演時に、その思い出の味について触れており、以降も「ジャニーズ御用達」「ジャニーズJr.ゆかりの味」として幾度となく取り沙汰されてきた。
■急遽閉店となった「とらの子」
同店は麻布十番から蒲田に店を移した後も人気を博していたが、今年7月末に「店長緊急帰国のため一時休業」という張り紙と共にシャッターが下ろされ、8月下旬、「店長が海外で事業を展開するため8月31日をもって閉店」と新たな張り紙が貼られた。
以降、蒲田駅のすぐ近くにある「南口店」、少し離れた場所にある「新蒲田店」は長期にわたりシャッターが下ろされたままになっていたのだ。
10月、記者は前述の2店舗を見に行った。ジャニーズタレントがテレビ収録に来た際の写真を店頭に張り出し、賑やかだった「南口店」は中華料理店「你好(ニイハオ)」系列店に姿を変えており消滅。
一方の「新蒲田店」も閉じたままだったが、シャッターには「~開店のお知らせ~10月12日にオープンいたします」と再開を記す文字が。
事情を聞こうと「新蒲田店」に電話するも、電話は「使われておりません」と不通になっており、再び同店に足を運ぶことにした。
■メニュー改定も間に合わず
店内は中国人スタッフたちが忙しなく動き回っており、来店客は地元客と中国人グループでほぼ満席。
メニューは「南口店」で使われていたものと同じだったが、店のスタッフや方針が変わったのか「メニューに書いてあっても作れない料理がある。その都度聞いてネ!」とフレンドリーな中国人女性スタッフが伝えに来た。
急遽の再開だったためか、水の入ったグラスは形がバラバラで、この女性スタッフと厨房の調理スタッフの中国語によるやりとりが店中に響き渡っている。
おそらく「チャーハンのオーダー入ってる!? 先に作り始めて!」的なやりとりで、店舗オペレーションなくパワープレーで押し切っている印象だ。
■ジャニーズのジャの字もなかったが味は最高
過去店舗にあった「ジャニーズゆかりの味」的なPOPは店内に一つもなく、ジャッキーチェンのカンフー映画に出てきそうなてんやわんや感とダイナミズムに溢れていた。
終始バタバタしていた女性スタッフに店再開の理由を聞くと、「!? 色々あって店も変わって再開した。でも料理は一緒! ラーメンも同じ!」と笑顔で返してくれた。
注文時、メニュー名と料理の価格を客が伝えるという謎オーダーシステムで「まだ料理名と値段を覚えていないの」(前出・中国人の女性スタッフ)とのことだったが、餃子とチャーハンがお世辞抜きでかなり美味しく、ラーメンは550円という安さだ。
会計時、オーダー表に抜けている料理があるため「安くなりすぎている」と伝えると、「アハハハ! 私ダメね…! お客さん、いい人」と肩をパンッと叩かれた。そんな愛嬌あるスタッフたちが、店再興のため奮闘を続けている。
■執筆者プロフィール
キモカメコ佐藤:1982年東京生まれ。『sirabee』編集部取材担当デスク。
中学1年で物理部に入部して以降秋葉原に通い、大学卒業後は出版社経て2012年より秋葉原の情報マガジン『ラジ館』(後に『1UP』へ名称変更)編集記者。秋葉原の100店舗以上を取材し、『ねとらぼ』経て現職。コスプレ、メイドといったオタクジャンル、アキバカルチャーからスポーツまで精力的に取材しつつ、中年独身ひとり暮らしを謳歌する。
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(取材・文/Sirabee 編集部・キモカメコ 佐藤)