中古本を買うならブックオフ「110円コーナー」、でも買い方にはコツがある
【鈴木貴博『得する経済学』】読んでみたいけど、新刊を買うほどの意欲がない小説。そんな時探すのはブックオフの110円コーナーなのだが…。
「ちょっとの間、ここで買い物していて。その間にブックオフを見てくるから」
休日、夫婦で買い物に出かけた際、わたしはよくこの謎の言葉を残して15分ほどいなくなることがあります。
このパターンの行動は、いつもはあまり行かない駅に出かけたときにすることが多いのですが、その背景を含めて今回は「安く中古本を買う」ときのコツの話をしてみたいと思います。
■映画の原作をチェックしたいときに…
私は小説が好きです。ただほとんどの小説好きな人は私と同じではないかと思うのですが、読みたい本がたくさんあっても時間が無限にあるわけではないですよね。過去、話題になった小説でも、まだ読んでいない小説が結構たくさんあるのです。
そういった小説が突然読みたくなることがあります。たまたま観た2時間ドラマがそういった小説を原作にしていたときなど、「へえ、原作ではどんな風になっているんだろう」と、俄然興味がわいてきたりします。
映画化作品を観たときも、原作小説だけではなく、その作家の過去の有名だけれどもまだ読んでいない商品なども急に読みたくなったりします。
ただこれは私の悪い生活習慣でもあるのですが、そういった場合、ちょっとだけ読んでみたくなるという感じなのです。だから新刊ではなく、中古本を買うことにしています。
■最強なのは「ブックオフの110円コーナー」
アマゾンが登場した当時は反射的にアマゾンで中古本をポチるのが私の習慣でした。アマゾンで1円で売っている商品を買うわけですが、送料を含めるとだいたい257円から351円ぐらいで人気の小説が手に入ります。
さて、同じ小説がブックオフだとどうかというと、映画化された人気小説を、その映画が公開されているタイミングであれば意外と高かったりします。アマゾンで351円の小説がブックオフだと700円みたいな感じです。ざっくりとした個人の感覚ですが、発売が2年以内の人気小説はアマゾンの方が安いのではないでしょうか。
ただ、ブックオフは旧作になると110円コーナーで売られるようになります。これが「ちょっとだけ読んでみたい」ときにとてもフィットする価格なのです。
■問題は「売っていない」場合…
ただ問題は、ブックオフの店舗の110円コーナーは在庫があまり充実していないことです。私の場合、東京・新宿西口のブックオフが自宅から一番近くて、まずはここを覗くのですが、どうでしょうか、欲しい小説が110円コーナーにある確率は50%ぐらいというのが私の感覚です。
このブックオフ、そのような条件の商品が同チェーンの通販サイト「ブックオフオンライン」で売られています。ここが面白いところなのですが、ブックオフオンラインは在庫が多いので欲しい小説がだいたい見つかるのですけれども、値段が110円ではなく220円の場合が多いのです。
さらにブックオフオンラインだと送料がかかるのですが、そこは裏技として「ブックオフの店舗受け取り」にすると送料無料で手に入ります。
問題はこの220円という価格が微妙だということなんです。というのもこの手の古い小説だとアマゾンの中古本の最安値は本体+送料でだいたい257円と大差がありません。わざわざ店舗にでかけて220円で買うぐらいなら、アマゾンで自宅まで届けてもらったほうが楽です。ですから私はブックオフオンラインで220円という選択肢はあまり選びません。
■「ついでにブックオフ通い」で入手確率88%に
さて、ここで冒頭のシーンです。新宿のブックオフに110円在庫があればそこで買い、なければアマゾンで257円でポチるというのが私の基本的な購買行動なのですが、そこに実は最後の手段がもうひとつあります。
それは、今週一週間でたまたま出かけた駅の近くのブックオフの110円コーナーを念のために覗いてみることです。
私の仕事のスタイルだと、一週間の期限を区切っても、スケジュール帳に書かれた行き先で2か所ぐらい、通り道にブックオフがある駅に行く予定が入っていたりするのです。そんなときに最後のチャンスとして110円で読みたい小説が置いていないかどうかチェックをしてみるのです。
計算してみるとわかりますが、新宿で110円で手に入る確率が50%だとしたら、他に2か所回ってみてそのどこかで110円で手に入る確率は88%(計算式は1-0.5×0.5×0.5)と高確率です。つまりだいたい手に入るというわけです。めでたしめでたし。
■著者プロフィール
Sirabeeでは、戦略コンサルタントの鈴木貴博(すずきたかひろ)さんの連載コラム【得する経済学】を公開しています。街角で見かけるお得な商品が「なぜお得なのか?」を毎回経済理論で解説する連載です。
今週は「ブックオフでお目当ての本を探す」をテーマにお届けしました。
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(文/鈴木貴博)