バイデン政権による先端半導体の中国への輸出規制から1年 他業界にも影響広がる
米中間で最大の懸念事項になっている半導体。その対中輸出規制開始から1年。今後はあらゆる業界に影響が飛び火する恐れが。
バイデン政権が先端半導体分野で中国に輸出規制を導入してから10月でちょうど1年となった。それによって米中対立はさらにヒートアップした。
■激しさを増す半導体覇権競争
そして、中国による先端半導体入手を完全に抑えるため、バイデン政権は今年1月、先端半導体の製造装置で世界シェアを持つ日本とオランダに対中規制に同調するよう呼び掛けた。
その後、日本は3月に米国と協力することを発表し、7月下旬に製造装置など23品目で中国への輸出規制を開始した。オランダも9月から実行に移した。
■高まる中国の対日不満
中国は今日、米国と同じように輸出規制を始めた日本に対して、“日本は米国のポチ”だとして怒りをヒートアップさせている。
中国は8月から半導体の材料となる希少金属ガリウムとゲルマニウムで輸出規制を開始し、8月下旬には福島第一原発の処理水放出に反発し、日本産水産物の輸入を全面的に停止した。
これらは中国の日本への不満の表れであり、今後さらに貿易規制という手段で日本経済に打撃を与えてくる可能性が高い。今回は日本の水産業界が大きなダメージを受けたが、半導体という1つの品目によって影響が飛び火する可能性がある。
半導体と水産物は全く違う業種、業界であるが、全く異なるところに影響が出てくる。
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(取材・文/Sirabee 編集部・セレソン 田中)