日本産水産物の全面輸入停止は中国の“自滅行為” 最大の矛盾も
福島第一原発の処理水放出によって中国が日本産海産物を全面的に輸入停止してから1ヶ月。しかし、それは習近平政権が自分の首を自分で絞める結果に…。
中国が日本産海産物の全面輸入停止という措置を取って以降、日本の水産業者らは中国にホタテやウニを輸出できない、売り上げが半分以上減るなど混乱が拡がっている。
■科学的根拠のない全面輸入停止
国際機関、そして大半の諸外国は処理水放出は問題ないとしているのに、中国はそれを認めようとしない。それに同意しているのはロシアや北朝鮮などしかない。
しかし、国民の不満の矛先を日本に向けるために取った措置である以上、習近平政権としてもなかなか解除はできないだろう。解除すれば、弱腰と判断され、国民の反感はいっそう強まることになる。
■言い訳できない矛盾
そして、ここで1つ想像してほしいことがある。
中国は日本産海産物の全面輸入停止という暴挙に出たが、これは日本近海で漁業する日本漁船が地元に水産物を陸揚げした“日本産”が禁止対象となっている。ところが、中国漁船の多くは中国近海の黄海や東シナ海だけでなく、日本近海でも遠洋漁業をしている。
中国漁船が日本漁船と同じ海域で魚を釣り、それを中国各地の地元の港に陸揚げすれば“中国産”となるのだが、同じ海域で獲ったのに中国の港に陸揚げされたらOK、日本の港に陸揚げされたらダメというのは明らかに矛盾している。日本産も中国産も同じ海域で獲れた魚も多く、輸入停止となった魚の多くを中国は獲って食べているのだ。
これは日本産海産物の全面輸入停止の最大の矛盾点と言えよう。日本はこのおかしい矛盾をもっと世界に発信していくべきだ。
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(取材・文/Sirabee 編集部・セレソン 田中)