豚皮食す動画公開の女性インフルエンサーが懲役2年 イスラム教冒とくと見なされ

インドネシア人女性が豚皮を食べる動画を投稿し懲役2年の有罪に。イスラム教への冒とくに当たるという。

豚・ブタ・養豚場

TikTokで豚皮を食べる動画を投稿した女性に、インドネシアの冒とく法に基づき懲役2年が言い渡された。『CNN』や『アルジャジーラ』などが報じている。


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■豚皮を食べる動画で罪に

SNSで200万人以上のフォロワーを持つインフルエンサー「リナ・ムカルジー」として知られるリナ・ルトフィアワティは、バリ島を訪れた際の食事風景をTikTokで公開した。

ルトフィアワティは食卓に座り、イスラム教のフレーズ「ビスミッラー(アッラーの御名において)」を唱えてから、笑顔でカリカリの豚皮を食べる内容を配信。これがイスラム教徒の人々に反感を買った。

この動画は数百万回再生されたが、ルトフィアワティはインドネシアのイスラム教最高聖職者組織であるウルマ評議会を含む宗教団体から「冒とく的」と告訴され、警察の捜査の結果、起訴された。

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■懲役2年に罰金も

9月19日にスマトラ島のパレンバン地方裁判所での裁判では、ルトフィアワティは「宗教的な個人や特定のグループに対する憎悪を扇動することを目的とした情報を広めた」罪で有罪とされた。

判決では2年の実刑判決に加え、1万6,245ドル(約240万円)の罰金が科された。もし罰金を支払わなければ、刑期は3ヶ月延長される。

裁判の後、ルトフィアワティさんはCNNの取材に「自分が間違っていたことは分かっていますが、このような罰を受けるとは思ってもいませんでした」と語り、控訴する可能性を示唆した。

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■宗教への侮辱に罰則

インドネシアは世界最大のイスラム国家であり、総人口約2億7,000万人のうち90%ほどがイスラム教徒だといわれている。

同国では近年、宗教的保守主義が台頭しており、宗教的少数派やイスラム教を侮辱したとみなされた人々が、冒とく法で裁かれるケースが増えている。

豚肉は、インドネシアのイスラム教徒の間では食べることがタブーとされている。

ヒンドゥー教徒が大多数を占めるバリ島での出来事だが、ムカルジーさんがイスラム教徒を自認するインフルエンサーだったことも、大きく影響したようだ。

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(文/Sirabee 編集部・ジェス タッド

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