世界一の大国を目指す中国に暗雲 経済成長率鈍化で米国に追いつけない可能性
中華民族の偉大な復興、中国式現代化、社会主義現代化強国などなど掲げる習近平政権。国内経済は悲惨な状況だ。
最近欧米の研究機関やメディアなどでは、中国の経済力が米国のそれを上回るのはこれまでの想定よりもかなり遅れ、少なくても2040年代中半ば以降になるとの見方が浮上している。
■米中経済力の逆転は遠のく?
21世紀以降、中国は世界を震撼させるかのように10パーセント台の高い成長を維持し、米国にどんどん追いついてきていた、そして、その当時は中国が米国を追い抜くのはそう遠くない未来だとの見方が広がった。
だが、ここに来て中国の勢いに陰りが見え始めている。新型コロナなども影響し、中国の経済成長率は鈍化傾向にあり、以前のような10%成長は夢物語となっている。
そして、不動産バブルが崩壊し、経済格差が広がり、若年層の失業率も20%を超えている。このような状況は今後も続くことから、2040年代半ばではなく、そもそも米国には追いつけない可能性もありそうだ。
■習政権最大の課題は経済
習近平政権は米国や台湾との関係で揉めているが、最大の課題は国内経済だろう。国内経済が上手くいかないと、国民の不満はいっそう強まり、反政権的な抗議デモなどがあちらこちらから拡がってくる可能性がある。
コロナ禍では水面下で反政権的な言動やデモ、衝突などはあっただろうが、中国当局はそれを力でねじ伏せ、情報統制を行っているのでなかなか知れ渡ることはない。
しかし、いつかそれにも限界が来るだろう。第二次天安門事件が今日の習政権にとっての最も恐ろしいシナリオだろうが、中国経済の疲弊が顕著になればなるほど、習政権への基盤は揺らいでいくだろう。
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(取材・文/Sirabee 編集部・セレソン 田中)