Clubhouseが会話のテキスト化「Chats」機能搭載 再起とSNSの覇権争いに挑む
会話SNSとして人気を博したClubhouseが、テキストベースの「Chats」機能を追加。ユーザーの心をつかめるのか。
Clubhouseというライブで参加するSNSが、新型コロナウイルスのパンデミック真っただ中に一世を風靡した。ブームはいつの間にか衰え、世間から消えた感があったが、最近になり新機能追加で新しい動きがあるようだ。テクノロジーニュース『TechCrunch』が伝えている。
■コロナ禍で急成長したアプリ
Clubhouseとは、2020年3月にアメリカのスタートアップ企業であるAlpha Explorationが立ち上げたプラットフォームだ。招待制で参加ができ、ライブで会話ができるSNSである。
チャットルームに招待されたユーザーのみが、音声会話できるというプライベートな設定が特徴的。著名人や起業家らが、個別相談やカンファレンスなどで使い始めたことで人気が急上昇した。
立ち上げから1年たった2021年2月ごろには、ダウンロードがピークの約1000万人に達したと推測されており、FacebookやX(旧・ツイッター)に対抗する新SNSとして注目されていた。
■衰退の原因は…
Clubhouseが拡散した背景には、新型コロナウイルスのパンデミックによる在宅時間を利用して、身支度を整えずにコミュニケーションがとれる電話であるかのような手軽さがあった。
また、インフルエンサーや著名人の貴重な意見を聞いたり、ライブの臨場感を楽しめたりするのもメリット。しかし、ピーク時からわずか半年足らずで登録者数は200万人となり、約80%も減少してしまった。
その急激な衰退をもたらした原因として考えられるのが、インフルエンサーの収益化が難しかったことや自分のタイミングで聞けないというユーザーからの不満。さらにClubhouseの特徴であった「招待制」がなくなったのも、ユーザーの興味をそぐ要因になったのかもしれない。
■新機能はユーザーにウケる?
そんななか、Clubhouseの新機能として発表されたのは「Chats」。これまでの「room」と似ているが、チャット機能は非同期なため、自分の好きなタイミングで参加できるのが特徴だ。
また、マイクを押しながら話すと音声認識でスクリプトになって表示される仕組みのため、会話を文字で確認できるところが便利だ。2倍再生やスキップ機能もあり、スライドすると次の会話に移れるなど、2者間でプライベートにメッセージを送れる。
■共同創設者がユーザーの疑問を解決
Clubhouseの共同創設者であるポール・デイビソン氏は、新機能やClubhouseに寄せられている質問に自身のXアカウントで回答している。
デイビソン氏はチャット機能がボイスメモのように使用でき、プライベートと友達の友達まで参加できることから、出会いの場やリモートワークの立ち寄りに活用できると話す。また以前からある「Live Rooms」機能も健在で、クリエイターの持つフォロアーは継続して付帯できるなど、テクニカルな質問にも回答した。
そして最も多い質問は「Clubhouseは絶滅?」というもので、デイビソン氏は「アクティブユーザーがいるので成功を応援している」とコメント。
また誤作動などを起こすバグの可能性を否定せず、「追加や微調整も必要。時間がかかるけどみんなのために素晴らしいものを作りたい」とも話している。
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(取材・文/Sirabee 編集部・本間才子)