山道で遭遇した案内板、なぜか強烈な見覚えが… 「生きてたのか」と感動の声相次ぐ
ツイッターの名称が「X」になって早やひと月が経過。X上では、ツイッターを象徴する存在であった「鳥」のその後が話題となっていたのだ。
慣れ親しんだ「ツイッター」の名称が「X」に変わり、ひと月以上が経過。「立つ鳥跡を濁さず」とは言ったものだが、ツイッターを象徴する「青い鳥」のアイコンを懐かしむユーザーは、決して少なくないだろう。
なお以前Xでは、こちらの青い鳥の「衝撃のセカンドライフ」が発見され、話題となっていたのだ。
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■お前、ここにいたのか…!
今回まず注目したいのが、Xユーザー・まじんさんが7月末に投稿した1件のポスト。
「ツイッターの鳥が山形の山奥で余生を送っていた…! ああ、ゆっくり休め…!!」と意味深な文章が綴られた投稿には、道路上に設置された「案内標識」の写真が確認できる。
街や施設までの距離が一目で分かる、というのが案内板の特徴のはずだが…なぜかこちらには、ツイッターを連想させる「青い鳥」が表示されているではないか。
■発見時の心境がエモすぎる…
向いている方向は左右逆といえど、デザインが非常に「ツイッターの鳥」と酷似したこちらの案内板は、X上で瞬く間に話題に。
件のポストは投稿から数日で3万件以上ものリポストを叩き出し、他のXユーザーからは「ここにいたのか!」「ゆっくり暮らせよ」「鳥さん、隠居しちゃったんですね…」「生きてたのか…」「地元でワロタ」などの声が寄せられていた。中には「お鷹ぽっぽ」なる、謎の5文字を含んだリプライも…。
なお、ポスト投稿主・まじんさんに写真の詳細を尋ねたところ、こちらは福島県からの自転車旅行の際、山岳道路・西吾妻スカイバレーから山形県米沢市へ向かっている折に撮影したものと判明。
道中を急いでいたまじんさんだが、当時の様子について「この看板を見つけたときには、止まらずにはいられませんでした(笑)」「ツイッターのアイコン変更を寂しがる人が多いと思いますが、飛ぶのをやめて佇んでるような姿に勝手に哀愁を感じてしまいました」と振り返っていたのが、なんとも微笑ましい限りである。
そこで今回は、同案内板の詳細について探るべく「米沢市役所」に詳しい話を聞いてみることに。その結果、青い鳥の「意外な正体」が明らかになったのだ。
■米沢市役所、完全にノリノリである
取材を快諾してくれた同市「産業部観光課」の観光企画担当担当者は、青い鳥の正体は「お鷹ぽっぽ」であると説明する。
前出のポストへのリプライでも多数確認できた「お鷹ぽっぽ」の正体については、「米沢藩9代藩主・上杉鷹山公が、農民の冬季の副業として工芸品の製作を奨励したことに始まり、『魔除け』や『禄高を増やす縁起物』として親しまれてきております」「米沢市南部の笹野地区で、1200年にわたり伝承されている『笹野一刀彫』の代表とされるお鷹ぽっぽは、コシアブラやえんじゅの木を『サルキリ』という独特の、刃物1本で掘り上げる伝統工芸品になります」とのことであった。
上杉鷹山は「鷹の力強さ」と「自身の名前」との繋がりから、鷹の商品を「商売繁盛」と意味付けていたという。
案内板のイラストからは顔つきが判別できないが、彫刻作品を見ると、凛々しさとかわいらしさが同居したデザインであることが分かる。担当者も「鋭い目つきとくるくるとカールした羽が特徴的で、野趣豊かな中にも凛とした気品の漂う作品は、贈答品としても人気があります」と、その魅力を語っていた。
「お鷹ぽっぽ」がデザインされた案内板は今回話題となったものと、その付近にもう1枚と、計2枚設置されていることが判明。
Xを中心に大きな話題となった件について、担当者は「話題となっている(まじんさんの)ポストが投稿されてから、各報道メディアを中心に、一般の方からも問い合わせを受け、職員一同大変驚いていると同時に、米沢市へ注目が集まっていることを、大変嬉しく思っております」と、感謝のコメントを発している。
また「今回注目されているデザインは、米沢市の伝統工芸品・笹野一刀彫のお鷹ぽっぽになり、先ほど申し上げたように、米沢藩第9藩主・上杉鷹山公が奨励したことに由来があります」「このように、米沢市は戦国武将の上杉謙信公に代表される『上杉の城下町』として今日まで、歴史にゆかりのある街として栄えております」と、米沢市の歴史についてアピール。
さらに「日本三大和牛の米沢牛や、米沢ラーメンなど『食』の面についても、毎年多くの観光客の方々に味わって頂いております」「さらに『よねざわ四季のまつり』と呼ばれているように、春の上杉まつり、夏の最上川源流よねざわ紅花まつり、秋のなせばなる秋まつり、冬の雪灯篭まつりと、年間を通して四季折々のお祭りを開催しておりますので、ぜひ観光の街・米沢市に遊びにいらして頂きたいと思っております」と、観光地としての魅力を熱弁してくれたのだった。
世界中の人気者である青い鳥が、セカンドライフの舞台として選んだ米沢市。同市を一度観光で訪れれば、その理由が即座に分かるはずだ。