電柱の下敷きになり高校教師が死亡 「原因は老朽化」と考える遺族が行政を訴え
高校教師が突然倒れてきた木の電柱に打たれ、下敷きになって死亡した。遺族は、古いインフラを放置していた行政を強く批判している。
アメリカ・サウスカロライナ州で、少年少女に社会科を教えることに大きな喜びを感じていた女性教師が、予想だにしないアクシデントに見舞われ、まだ若い命を奪われてしまったという。『LIVE5 NEWS』『WLTX-TV』などが報じている。
■女性が電柱の下敷きに
8月26日、サウスカロライナ州エイケン郡のワジナーで、ジューネル・ロビンソンさんという女性(31歳)が倒れてきた電柱の下敷きになった。
医療ヘリで西に隣接するジョージア州のオーガスタ・ユニバーシティ・メディカル・センターに搬送されたが、その日の夜遅くに死亡した。トレーラーの運転手や他の通行人に怪我はないという。
■慕われていた女性教師の死
ロビンソンさんは事故現場付近のワジナー・サリ―高校に勤務する教師で、昼休みに高校からすぐの商業施設が並ぶ通りを歩いていたところ、突然倒れてきた木の電柱に打たれた。
1台のトレーラーが走行中に電線を引っかけ、そのせいで8本の電柱が次々と倒壊したためだった。
少年少女に社会科を教えていたロビンソンさんは、その熱意や上手な教え方で生徒たちからよく慕われていた。今は学校全体が大きな悲しみに包まれている。
■巨額の損害賠償を求める裁判へ
ロビンソンさんの遺族が雇った弁護士は、1億ドル(約145億円)の損害賠償を求める訴訟の準備に入ったことを発表したが、なんと相手は行政や電力会社が中心になるという。
さらに、経済的に困窮している大学進学希望者に授与してほしいとして、1,000万ドル(約14億5,000万円)でロビンソンさんの名にちなんだ公的な奨学金を設立するよう求めていく予定だ。
■古い町並みの落とし穴
弁護士は「この町の木の電柱の安全点検は2014年が最後で、非常に老朽化していた。
また、今回のような事例はいつ起きてもおかしくなかった」「公共整備事業の予算を、都市部ばかりか田舎にもしっかりと回してくれていれば、こんな事故は起こり得なかった」と、行政を厳しく批判している。
人口が600人ほどというワジナー町は、建物やインフラが「昔ながらのまま」という古い町並み。信号機も、道路の両側に立つ木の電柱に渡された電線から吊るされているという。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)