ローソンで遭遇した謎商品、完全に意味不明と思いきや… 「最高すぎる」とユーザー大歓喜
ローソンで遭遇した奇妙なデザインのパッケージ。ネット上では「こういうので良いんだよ」と、称賛の声が相次いでいる。
世の中には「ぶさかわ」な外見で愛される犬種がいるように、洗練されていないからこそ愛おしいデザインが確かに存在する。
現在X(旧・ツイッター)上では、ローソン店頭で発見された「奇妙なデザイン」の商品パッケージが話題となっているのをご存知だろうか。
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■商品のパッケージ、何かがおかしい…
8月末、とあるXユーザーが「『分かりにくい』と叩かれてたローソンのPBが、こんな感じになってた」と綴ったポストを投稿。
添えられた写真には、温泉に浸かったカピバラ親子や、我が子と一緒に長ネギや牛乳をポケットに詰めたカンガルー…といったユルい(ユルすぎる)イラストの描かれたパッケージの商品がズラリと並んでいる。
当然これらの動物に関係した商品、と思いきや…パッケージはこれまたユルい字体で「ピーチウーロン」と記されていたではないか。
■「かわいいは正義」とまさかの大人気
ローソンのPB(プライベートブランド)といえば、2020年春に商品デザインが一新された際、ユーザーの意見が「かわいい」と「分かりづらい」の真っ二つに分かれる事態に。
しかし今回のデザインは非常に好評を博しており、件のポストには「これくらい突き抜けてると一周回って許せる。というか好き」「『分かりにくい』を『かわいい』で塗りつぶす力技、嫌いじゃない」「やはり『かわいいは正義』なんだな」といった称賛の声が多数寄せられていた。
ここまで「突き抜けたデザイン」になったのは、やはり前出のような背景が影響しているのだろうか。ことの経緯を「株式会社ローソン」に尋ねると、尋常ではない「企業努力」が明らかになったのだ…。
■ローソンの本気に思わず感動
ローソンの「ゆるかわ」パッケージ商品の走りといえるのが、2022年8月に発売された「アールグレイ♯ちょい甘」である。
同商品のパッケージにはカップに入った犬のイラストが描かれ、こちらは犬(ワンコ)がカップに入った(イン)している…つまり「ワンコイン」(税込100円)であることを示すデザインとなっていた。
このダブルミーニングはユーザーから大好評で迎え入れられ、SNSを中心に大きな話題となっていたため、記憶に残っている人も多いことだろう。
デザインの詳細について、ローソン担当者は「『Z世代を中心に、情緒的な癒しを求めている方が多いのではないか』と、Z世代の開発メンバーらと協議した上で、ペットで飼っている方が多い、幅広い世代の方が親しみやすい、といった理由から犬を採用しました」「なおイラストには柴犬、チワワ、フレンチブルドッグ、ミニチュアダックスフンド、トイプードル、ポメラニアンの6つの犬種が存在します」と説明している。
ローソンのねらいは見事に当たり、10代~20代のユーザーを中心に反響が大きかったという。同年12月には甘さをやや抑えめにリニューアル販売し、その際はカップに入った猫のイラストを採用していた。
23年5月には「ジャスミンレモンティー 240ml」を販売。同商品のパッケージには「背負ったランドセルの中身をぶちまけた小学生」や「電車の座席で力士に挟まれた男性」などのシュールなイラストが採用されており、こちらも「レモンティー要素」は皆無である。
こうしたイラスト採用の背景について、ローソン担当者は「SNSで話題となった投稿を見ると、日常の何気ない『あるある』で共感を得ていることや、思わずツッコみたくなるシュールなイラストなどが人気であることから、シンプルながらもクスッと笑える面白さと、癒し要素のあるデザインにしました」と振り返っている。
そして満を持して7月より、今回話題となった「ピーチウーロン 240ml」と「こんぺいとう 30g」を発売開始。
過去商品のノウハウを見事に消化したデザインについて、ローソンからは「動物に癒しを求める人が多いと言われているなか、商品のパッケージでもほっこりしてもらいたいとの思いから誕生しました」とのコメントが寄せられている。
ちなみにだが、今回紹介したこれらの商品は「新商品」であり、前出の商品の「デザイン変更」ではない。ローソン担当者は「10代~20代の方を中心に『何これ?』と、コミュニケーションのひとつのきっかけにして頂くことを考え、発売しました」「統一性を持たせているPB商品のデザインとは異なる視点で作っております」と補足していた。
今後の商品展開についても「皆さまに楽しんで頂けるイラストを描いた商品を考えてまいりますので、楽しみにして頂きたいです」とのことで、期待が高まるというものである。
※23年9月4日時点で「アールグレイ♯ちょい甘」「ジャスミンレモンティー」は販売終了。「ピーチウーロン」は一部地域では販売終了、「こんぺいとう」は一部店舗でのみ販売
■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)