「A型はまじめ」「O型はおおらか」は本当か? 血液型別の性格イメージと実体の乖離を測定
『スージー鈴木のニッポンの民意』記念すべき第9回は、この国で広く親しまれた「血液型イメージ」の信ぴょう性について、市場調査を実施し、統計的、科学的に検証してみました。果たして本当に「A型はまじめ」「O型はおおらか」なのでしょうか?
さて、今回も衝撃的なレポートを世に問いたいと思います。血液型による性格イメージの話です。
一般に「A型はまじめ」「O型はおおらか」などと言われます。科学的根拠はないと言われますが、それでも何となく気にしてしまうものです。若い人なら合コン(今でも開催されているのか?)で、思わず血液型を聞いてしまう、もしくは聞かれた経験のある方も多いかもしれません。
市場調査によって証明すればいいじゃないかと思ったのです。方法論としては、例えばA型について、(1)A型の性格イメージを聞き、加えて(2)A型の人に自分の性格イメージを聞く。そして(1)と(2)の乖離を数量的に測定すれば、(大げさに言えば)科学的根拠のある、21世紀型の、シン・血液型性格イメージが明らかになるのでは?
やってみました。
性格イメージ項目は「まじめ」「頼りになる」「親切」「おおらか」「お喋り好き」「ユーモアのある」「お人好し」「素直」「自由」「知的」「気が強い」「おしゃれ」「元気」「感受性が強い」――の14項目。
上記(1)と(2)について「いくつでもお選びください」という、いわゆるMA(マルチアンサー)形式で聴取。
そして、乖離の実体が分かりやすくするために、下記のマップ(散布図)で分析しました。
画像をもっと見る
■血液型別の「性格イメージ」調査
右に行けば行くほど、その血液型の「性格イメージ」として高い項目。上に行けば行くほど、その血液型の人が自分の性格を評価したときに高い項目(「性格自認識」)。
となると右上の①ゾーンは、その血液型の性格イメージも性格自認識も高い、名実ともにその血液型の性格、「コアイメージ」と言えます。
次に②ゾーンは、一般的に、その血液型の性格と言われているものの、実際はそうでもない、つまり「実は私、そんな性格じゃないのに……」項目。
最後に③ゾーン。ここは逆に、その血液型の性格と言われていないのに、実際には、その血液型の人に備わっている性格、つまり「実は私、こんな性格なのに!」項目。
ということは、ここでいう②ゾーンと③ゾーンをしっかりと認識すれば、「シン・血液型性格イメージ」が明らかになるのです。うむ、我ながら冴えた調査企画だ!
■A型「堅物と思うなよ!」
では、見ていきます。まずはA型(なおマップ内、十字の縦軸・横軸は、付置した全項目の平均値に引いています)。
先にお伝えしなければならないのは、マップから「まじめ」を抜いていること。というのは、横軸にも縦軸にも高すぎて(76.9%、65.6%)、マップの右上方向に飛び出てしまったのです。
というわけで「A型=まじめ」は正しそうです(ただし「A型=まじめ」と日本で長く言われ続けてきたので、知らず知らずのうちに自分もそうだと思い込んでしまったフシもあり)。
マップをご覧ください。①ゾーンは「感受性」「素直」「親切」「お人好し」。「まじめ」も含めると、全体的に優しい性格の感じがしますね。これ、名実ともにA型のコアイメージ。
②ゾーンを見ると「気が強い」「頼りになる」が気になります。優しさの反動で「見かけより強くないんだよ……」という心の声が聞こえます。逆に③ゾーンでは「優しいけど、自由人なんだ。堅物と思うなよ!」という心の叫びが響きわたります。
■B型「知的」とも思われたい?
次にB型。
まず①ゾーンは「自由」「気が強い」「ユーモア」。一般に言われるような、この個性的な感じがB型のコアイメージなのですね。
②ゾーンが面白い。「おおらか」「お喋り好き」だと思うなよ、ということでしょう。「B型だからといって、例えば宴会で面白い話ばかり要求するなよ」という心の声かな(多少、意訳しましたが)。
逆に③ゾーンは、「知的」と「感受性」、「面白さじゃなく、頭良さげな奇才と思ってよ、坂本龍一みたいな」っていう感じかしら(こちらも意訳)。