中国が日本の海産物の輸入を規制 今後は日中の間で貿易規制が拡大の恐れ
マグロやホタテ、カニやエビなど日本は海産物の多くを中国に輸出して儲かっているが、中国はそれを停止。海産業界には大きな打撃に。
今後、日本政府は福島第一原子力発電所にたまる処理水を水で薄めて海に放出する計画だが、それをめぐって中国は日本産海産物の輸入規制を強化している。
■福島原発の処理水で海産物輸入を止める中国
日本は処理水の安全性は科学的に証明されており、規制を強化する中国に対して抗議の姿勢を示している。日本からはホタテやカニ、エビやウニなど多くの新鮮な海産物が中国に輸出されており、それに対してストップが掛かることで、日本の海産業者たちは悲鳴の声をあげている。
今まで輸入してきたのに、処理水がまだ放出されていない段階で輸入を規制するなど、全く根拠がなく一種のいじめに近いものだ。
■輸入規制を中国が実行するワケ
中国が輸入規制を実行するワケは、政治的なものである。最近、日本は中国がほしい先端半導体分野で対中規制を実行に移した。
これは米国のバイデン政権からの要請に基づくもので、中国としては日本は米国のポチだとして怒りや不満を強めている。今回の海産物輸入規制は、日本への報復的措置と捉えるべきだろう。今後も日中関係が冷え込めば、中国は他の品目でも同様の措置を取ってくることだろう。
こういった中国側の対応に、日本のネット上でも非難の声が上がっている。
過激なものでは、“岸田もすみやかに中国の水産物を輸入規制にしろ”、“中国がトリチウムを海にバシャバシャ流しているんだから、日本も中国からの海産物に対して厳重に検査しろ”、“もう中国なんかに輸出するな、インドやインドネシアなど他の国々に輸出すればいい”などがある。
今後、日中の間で輸出入規制がいっそう激しくなり、日本企業への影響が拡大する恐れがある。
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(取材・文/Sirabee 編集部・セレソン 田中)