14歳のグラフィティアーティストが事故死 モノレールからビルの屋根に飛び降り… 

少年はモノレールを利用し、誰も手が届かない高い所に落書きをして、世間を驚かせようとした。それが事故につながってしまったようだ。

2023/08/11 07:00

グラフィティアート・ウォールアート・スプレー

さまざまな色のスプレー缶で文字や絵を描き、アスファルトの殺風景な世界を一変させてしまうグラフィティアート。そのセンスやテクニックは、一朝一夕で身につくようなものではないという。

そんな中、才能あふれるアメリカの少年が事故により命を落としてしまったという。『MEAWW』『NEW YORK POST』などが報じている。


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■モノレールにはねられる

アメリカ・ワシントン州のシアトルで7月30日、中学生ながらグラフィティ・アーティストとして鳴らしていたザヴィアー・ゲイタンくん(14)が、モノレールにはねられるという事故で死亡した。

母親とアリゾナ州に暮らしていたが、夏休みで出身地のシアトルに滞在し、その日はウィンディ・シティという町に暮らす父親を訪ねていた。

しかし、モノレールからある建物の屋根に降り立ち、落書きをしていたところに時速72キロで走っていたモノレールにはねられたという。

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■有名なタワーからもすぐの地点で

現場はフィフス・アベニューとデニー・ウェイが交差するあたりで、シアトルの有名なタワー、スペースニードルからもすぐのところだった。付近のレールは、高いところで9メートル強あるという。

ザヴィアーくんの遺体は地上で発見されたが、街の防犯カメラは、彼が自身の署名ともいえる「Anom」という文字を、ある建物の壁に描く様子も捉えていた。


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■普通は手が伸びない高い所に

母親のアリソン・ガーディナーさんはメディアの取材に応じ、「ストリートアートは尊敬に対する芸術ですが、才能を磨くためにそんな危険を冒すのは間違っています。息子にはずっと注意してきたんですが…」と涙ながらに語った。

モノレールは、シアトルセンターからダウンタウンのウェストレイクセンターまで五番街に沿って走っている。それを利用して高い所に落書きをし、世間の人々を驚かせようとした可能性が高いようだ。


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■基本的には違法行為

ザヴィアーくんの早すぎる死を悼む声は多いが、建物あるいは塀の所有者の許可を得ることなく、勝手に絵や文字を描く行為は基本的に器物損壊にあたり、通報されれば逮捕案件だ。

また、グラフィティ・アートが多いと治安が悪い印象を与えるため、それを除去するなど所有者の精神的、経済的負担は大きい。そのためこのたびの事故に対しては、厳しい声もあがっているようだ。

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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ

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