台風6号はノロノロ、九州などで大雨・暴風が長引き災害のおそれ 気象予報士が解説
台風6号は、比較的遅い速度で九州付近を北上する見込み。西日本では長引く大雨や暴風に警戒が必要だ。
■台風6号、7日にかけて線状降水帯発生のおそれ
沖縄県内で最大瞬間風速50m超をもたらした台風6号。沖縄では6日夜にかけて、奄美や九州南部では7日午前中にかけて、線状降水帯が発生するおそれもあります。
8日から10日にかけては、時速20キロ以下という比較的遅い速度で九州付近を北上する予想です。
■九州などでは長引く大雨に警戒
当初は沖縄を直撃したあと中国大陸に進むと予想されていましたが、次第に予報が変わり、九州へ向かう予想になりました。
台風が九州に上陸したら警戒が必要なことは言うまでもありませんが、もし仮に上陸しなかったとしても、影響は大きくなります。
その理由は「雨雲分布」にあります。今回の台風は、中心からやや離れた所に強く大きな雨雲があるのが特徴で、仮に台風が上陸しなくても、九州には強い雨雲がかかります。
移動速度が遅いため、台風の強い東風が九州の山地にぶつかり続け、雨量が多くなります。
地形の影響は侮れません。2019年に関東甲信や東北を襲い記録的大雨をもたらした台風19号も、地形の影響を受けてあそこまでの大雨になったと言われています。
よっぽど離れたところを通らない限り、九州での大雨は避けられないと考えられます。
■西日本で暴風警報が出されるおそれ
警戒が必要なのは雨だけではありません。暴風にも警戒が必要です。暴風警報が出される可能性があるのは以下の地域です。
■いつが大荒れピーク? 暑さは落ち着く?
さいごに、気象庁6日11日発表の週間予報で確認しますと、おおよそ9日~10日に台風の影響が最も大きくなることがわかります。
なお、今回のようなコースの場合「台風一過でカラっと晴れる」ことはありません。台風からの湿った空気が関東から西の太平洋側に流れ込み、暑いうえに突然の雨もあるなど不安定な空模様です。
東京の予想最高気温の数字自体は33℃前後とやや暑さが落ち着くようにも見えますが、予想の幅としては35℃程度まで上がる可能性も示唆されています。
基本的には、暑さをもたらす太平洋高気圧の北への張り出しは強いため、猛暑はまだまだ続く予想です。
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(取材・文/気象予報士・千種ゆり子)