30年前のエアコン電気代、その実態に目を疑う 「高い」とかいうレベルじゃなかった…

エアコンと扇風機の電気代を比較して驚き。約2割の人が「知らなかった事実」が存在しており…。

2023/08/01 04:45

エアコン

夏に心配なのが、冷房に関する電気代。なるべく節約したいのが本音だが、熱中症を招いてしまっては本末転倒である。

しかし調査の結果、決して少なくない人たちが「夏の電気代の常識」を勘違いしていることが判明したのだ…。

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■扇風機とエアコン、電気代は大きく違う?

扇風機を愛用している家庭も決して少なくないものの、今や「一家に一台」が当たり前といえるエアコン。そこで今回は全国の10〜60代の男女1,000名を対象として、扇風機とエアコン、それぞれの電気代に関する意識調査アンケートを実施することに。

扇風機とエアコングラフ

調査の結果、扇風機とエアコンでは電気代が「大きく変わる」と回答した人物は、全体の82.6%と判明。つまり約2割は「そこまで変わらない」と考えているワケである。

記者個人としては、「より新しい技術を駆使しているエアコンの方が電気代が高くなる」というイメージがあるのだが、実際のところはどうなのだろう。そこで今回は各機器の電気代事情をめぐり、大手空調メーカー「ダイキン工業株式会社」に、詳しい話を聞いてみることに。

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■「扇風機の位置付け」に思わず納得

まず確認しておきたいのが、扇風機とエアコンでは「そもそもの仕組みが異なる」という点。

扇風機

ダイキン担当者は「扇風機は一般的にファンを回して風を発生させて体感温度を下げますが、エアコンはヒートポンプの仕組みによって室内の空気中の熱を減らしながら室温を下げ、涼しい環境をつくります」と、それぞれのメカニズムについて説明している。

続けて「一般的な扇風機は主にファンを回す電力で使えるのに対し、エアコンは室内機で集めた熱を室外機まで移動させ、屋外に逃がす働きをしています。そのため、ファンを回すだけでなく、室外機の中にある『圧縮機』と呼ばれる部品の稼働も必要となるなど、扇風機よりも消費電力量が大きくなります」と、詳細を語ってくれた。

エアコン

これらの説明を受けて「今年から扇風機を使おう!」と決意した人もいるかと思うが、ダイキンからは「消費電力量を比較すると、エアコンより扇風機の方が少ないですが、夏場の熱中症リスク低減を考えた場合、適切な使い分けが必要そうです」とのアドバイスも得られたのだ。

というのも、熱中症対策の専門家は「エアコンは猛暑の時期の必須アイテム」であることを指摘しているのに加え、環境省による「熱中症環境保健マニュアル2022」では、熱中症予防のため熱さを避ける行動として「我慢せずに冷房を入れ、扇風機も併用すること」を推奨しているそう。

イメージとしては「電気代の安い扇風機だけを使おう」ではなく、「電気代の安い扇風機にエアコンをサポートしてもらおう」という考え方が正しいのかもしれない。


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■「エアコン代の進化」に思わず驚き…

なお、今回の調査結果で特に目を引いたのが「年代ごとの回答傾向」である。いずれの世代でも75%以上がエアコンと扇風機の電気代の差を認識しており、中でも60代の認知率は9割と突出して大きい。

扇風機とエアコングラフ

こちらの結果について、ダイキン担当者は「昔のエアコンの消費電力量をイメージされているかもしれません」と推測する。担当者曰く、エアコンの消費電力量は1990年頃から2010年頃までの間に飛躍的な変化を遂げ、なんと半分以下に削減されているというのだ。

こうした背景を踏まえ、ダイキンはひょっとすると、昔のイメージから『夏場でもエアコンの使用を控えよう』と思っている方もいらっしゃるかもしれません。しかし前出のように熱中症対策の専門家もエアコンの使用を推奨しています。熱中症リスクが高まる夏場などにはエアコンを上手に使いながら、健康的に過ごして頂ければと思います」とのアドバイスを発している。

扇風機

この夏はぜひ、扇風機とエアコンの「二刀流」で夏の暑さを乗り切ってほしい。

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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ

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