『海鼠』を何と読む? その内蔵を塩辛にした“このわた”は日本三大珍味の1つ

まさかアノ生き物を食べるとは…。先人の勇気には脱帽だ。

2023/07/29 08:00

なまこ

ゆっくりと這い回る後ろ姿がまるでネズミのような海の生き物とは…。


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■「海鼠」は何と読む?

Sirabee編集部が全国の10代~60代の男女1,000名を対象に「海鼠」の読み方に関する調査を実施したところ、全体で86.8%の人が「なまこ」、13.2%の人が「なめくじ」と読むと回答した。

なまこ

「なまこ」と読む人は男性が86.4%で女性が87.2%。「なめくじ」と読む人は、男性が13.6%、女性は12.8%という結果に。

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■正しくは「なまこ」

「海鼠」の正しい読み方は、「なまこ」。棘皮動物門(きょくひどうぶつもん)のグループの1つでナマコ綱に分類される海生生物。世界に約1,500種、日本にはそのうち200種ほどが分布すると言われている。

日本や中国では古くからナマコを食用としており、905年編纂の『延喜式』にもその記述があるという。日本では生食で酢の物として食べることが多く、内臓を塩辛にしたものは「このわた」と呼ばれる日本三大珍味の1つだ。


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■生で食べる「こ」で「なまこ」

『古事記』に記載された当時は「海鼠」という表記で「こ」と呼ばれていたようだ。「なまこ」の由来については、乾燥させた海鼠を「いりこ(煎りこ)」と呼ぶことから、生で食べる海鼠を「なまこ」と区別したという説がある。

ほかにも、体を切っても時間が経つと元へ戻るほどの再生力をもつことから「生きかえる」という意味で「生」としたという説や、「こ」はミミズ系の動物を指し、家で飼育するものが「蚕(かいこ)」で、生で食べるものが「なまこ」となったという説などもあるようだ。


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■「なめくじ」の漢字は「蛞蝓」

「なめくじ」は漢字で「蛞蝓」と書く。腹足綱(ふくそうこう)ナメクジ科の軟体動物で、殻が退化した陸生の巻き貝の一種だ。

その名の由来については、滑らかに移動するということで「滑(なめ)」、または、舐めるように這っていくから「舐め(なめ)」となったという説があるようだが、「くじ」に関する詳細はわかっていないようだ。

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(取材・文/Sirabee 編集部・ゆきのすけ

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ
調査期間:2023年6月29日~2023年7月3日
対象:全国10代~60代男女1,000名 (有効回答数)

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