『海鼠』を何と読む? その内蔵を塩辛にした“このわた”は日本三大珍味の1つ
まさかアノ生き物を食べるとは…。先人の勇気には脱帽だ。
■「海鼠」は何と読む?
Sirabee編集部が全国の10代~60代の男女1,000名を対象に「海鼠」の読み方に関する調査を実施したところ、全体で86.8%の人が「なまこ」、13.2%の人が「なめくじ」と読むと回答した。
「なまこ」と読む人は男性が86.4%で女性が87.2%。「なめくじ」と読む人は、男性が13.6%、女性は12.8%という結果に。
■正しくは「なまこ」
「海鼠」の正しい読み方は、「なまこ」。棘皮動物門(きょくひどうぶつもん)のグループの1つでナマコ綱に分類される海生生物。世界に約1,500種、日本にはそのうち200種ほどが分布すると言われている。
日本や中国では古くからナマコを食用としており、905年編纂の『延喜式』にもその記述があるという。日本では生食で酢の物として食べることが多く、内臓を塩辛にしたものは「このわた」と呼ばれる日本三大珍味の1つだ。
■生で食べる「こ」で「なまこ」
『古事記』に記載された当時は「海鼠」という表記で「こ」と呼ばれていたようだ。「なまこ」の由来については、乾燥させた海鼠を「いりこ(煎りこ)」と呼ぶことから、生で食べる海鼠を「なまこ」と区別したという説がある。
ほかにも、体を切っても時間が経つと元へ戻るほどの再生力をもつことから「生きかえる」という意味で「生」としたという説や、「こ」はミミズ系の動物を指し、家で飼育するものが「蚕(かいこ)」で、生で食べるものが「なまこ」となったという説などもあるようだ。
■「なめくじ」の漢字は「蛞蝓」
「なめくじ」は漢字で「蛞蝓」と書く。腹足綱(ふくそうこう)ナメクジ科の軟体動物で、殻が退化した陸生の巻き貝の一種だ。
その名の由来については、滑らかに移動するということで「滑(なめ)」、または、舐めるように這っていくから「舐め(なめ)」となったという説があるようだが、「くじ」に関する詳細はわかっていないようだ。
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(取材・文/Sirabee 編集部・ゆきのすけ)
対象:全国10代~60代男女1,000名 (有効回答数)