行方不明の我が子を32年待つ母親 「あなたの息子」と主張する人物も現れたが…
「当局がどう言おうと、息子が死んだという証拠はない」。そう考え、失踪した息子を32年も待ち続けている母親がいる。
32年前に姿を消した息子を待つ女性の前に、「あなたの子です」と主張する男性が…。DNA検査の結果、また母親の今の思いについて、『LADbible』など海外のメディアが伝えた。
■姿を消した息子
1991年、イギリスで暮らしていた当時生後21ヶ月のベンくんは、家族と一緒にギリシャに移り住み新生活を始めた。しかし同年7月のある日、親戚と一緒にいたベンくんが失踪し、家族は慌てて通報して捜索を依頼した。
当初、当局は家族が失踪に関与していると推測。しかしどこを探してもベンくんは見つからず、手がかりもなかった。
■「死んだ」と判断した当局
2016年になると、警察は「失踪した日にベンくんは死亡した」「地元で暮らす男性が掘削機を運転中に轢き殺してしまった」とする考えを発表。しかし男性の遺族が関与を否定したほか、ベンくんの遺体も発見されなかった。
ベンくんにいったい何が起こったのか、今もさまざまな憶測が飛び交うなか、母親のケリーさんがイギリスの民放局ITVの取材に応じ、「息子です」と名乗る人物がいたことを明かした。
■「僕が息子」と主張した男性
ケリーさんによると、男性は「僕を育ててくれた人もいますが、そちらは実の両親ではないんです」と主張したとのこと。そこで数週にわたって話をするうち、ケリーさん本人も「きっとベンだ」「息子に違いない」と信じ込むようになったのだという。
しかし真実を知るためDNA検査も受けてもらったところ、男性はベンくんではないと判明した。
この出来事を振り返ったケリーさんは、「(息子を名乗るような人とは)連絡を取り合わないようにしていますが、もし本当にベンだったら…と思うと、息子を拒絶している気持ちになってしまうんです」「でも結局『息子ではない』と判明すると、魂が引き裂かれるような気持ちになります」と語った。
■進展を望む家族
ベンくん失踪から32年。「亡くなった」という見方が濃厚になるなか、家族は今後も捜査が続くことを強く願っている。
ケリーさんは今も諦めずに真実を知るための努力を続けており、「ベンはまだ、行方不明のままです」「警察には2016年の時点で『結論に至った』と言われましたが、私たち家族に(ベンが死んだと示す)証拠は何一つないのですから」とも話している。
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(文/Sirabee 編集部・マローン 小原)