ノミに噛まれた男性が両腕と足を切断 敗血症起こし一時は生死をさまよう
軽度の発疹や痒み、風邪で病院を受診する人は少ないだろうが、じつは恐ろしい病気かもしれない。ある男性も、深刻な症状だったことが判明した。
この時期に活発化する蚊やノミ、ダニ。虫よけスプレーや防虫剤を使用しても、屋外・室内問わず発生するうえ、犬や猫などのペットにも予防薬を与えることが大切だ。
このたびある男性に起こった悲劇の話題を、アメリカの『NEW YORK POST』や『FOX』などが報じている。
■風邪症状の悪化で搬送
テキサス州ヒューストンに暮らし、ペットシッターをしているマイケル・コールホフさん(35)が先月、風邪症状が悪化したうえ足の指の感覚まで失い、サン・アントニオにある病院に搬送された。
足の手術から退院したばかりの母親を手伝うため、サン・アントニオを訪れていた最中だったという。
マイケルさんはその後に臓器不全に陥り、敗血症性ショックを起こしていることが判明。集中治療室に移動すると、人工呼吸器をはじめ透析、抗生物質と昇圧剤など複数の点滴治療を受けたという。
■手足がミイラ化
母親のジェリーン・ハーダウェイさんは医師から「近親者に連絡をして、最後の挨拶を…」と告げられたそうで、マイケルさんが生死をさまよっていたことを明かしている。
マイケルさんはなんとか11日間の治療に耐え、今月1日に人工呼吸器を取り外したものの、今度は別の困難が待ち受けていた。治療に使用していた昇圧剤が、手足をミイラ化させる乾性壊疽を引き起こしていたのだった。
■両腕と足の一部を切断
すでに治療は不可能な状態で、マイケルさんは両腕と足の一部の切断を余儀なくされたが、医師からは「あと48時間遅かったら、命は助からなかったでしょう」と言われた。
弟のクレッグさんは「手は必要だけど、生きていくうえで一番大事なのは心だよ。新たな挑戦を何とか頑張ってほしい」とマイケルさんを励ましているそうだ。
■「単なる風邪だと…」
医師はマイケルさんの症状の原因を、「ノミに噛まれ、発疹チフスに感染したことによる合併症」だと考えている。ここまで悪化するのはかなり稀だが、アメリカ疾病予防管理センターによると、ノミが生息する地域では誰にも発症する危険性があるそうだ。
治療をしなければ肝臓、腎臓、心臓、肺、脳などの臓器に損傷を与える可能性があるが、クレッグさんによるとマイケルさんは「風邪以外、発疹などの初期症状は何もなく、軽く考えていた」という。
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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)