埼玉、名古屋では条例制定も減らないエスカレーター歩行と片側空け 4割が「禁止されても空ける」

危険なため鉄道会社などが禁止を呼びかけているエスカレーター歩行と片側空け。ところが世間の意識は変わっていないようで…。

エスカレーター

鉄道会社や自治体が、大量のポスターを掲出するなどして禁止している、駅などのエスカレーターにおける歩行と片側空け。

しかし実態としては、ほとんどのエスカレーターで首都圏では右側、関西では左側が空けられ、もう片側の手前には長蛇の列ができていることもある。

混んだエスカレーターでも隣の人に体をぶつけるように駆け上がる、駆け下りる人も少なくない。


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■埼玉、名古屋では条例も

2021年10月、埼玉県では、「エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例」を制定。罰則はないものの、利用者の義務として「立ち止まった状態でエスカレーターを利用しなければならない」とし、管理者にはそれを周知する義務も課している。

名古屋市でも今年3月、政令市としては初めて、エスカレーターでの歩行を禁止する条例が成立した。歩行禁止を鉄道事業者だけでなく自治体ぐるみでルール化していく動きは拡がっているものの、世間はどのように感じているのだろうか。

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■意見は真っ二つ

Sirabee編集部が6月30日〜7月2日にかけて、全国10〜60代男女1,000名を対象にエスカレーターの乗り方について調査したところ、「鉄道会社や自治体が禁止したとしても急ぐ人のために片側を空けるべき」と答えた人が45.6%。

「両側に立って歩かないことを徹底するべき」との回答が54.4%となった。両側立ち派が過半数になったものの、世論は真っ二つに割れている状況だ。

エスカレーター

調査票の質問項目には「鉄道会社や自治体が禁止したとしても」と明記しているにもかかわらず、どこ吹く風の人がここまで多いのは驚きだ。


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■男性で目立つ片側空け派

では、ルールを無視してエスカレーターの片側を空けるべきと考えているのは、どんな人たちなのだろうか。まず、40代を除く全ての世代で男性が女性を上回り、10〜20代と50代男性では片側空け派が6割に迫っている。

女性では40〜50代が最も高く5割に迫ったが、全世代で半数を下回った。女性でも少なくない片側空け派だが、男性のほうが強く意識している傾向がありそうだ。

エスカレーター

罰則のない条例や鉄道会社のポスター程度では、とても止められなそうに見えるエスカレーターの歩行と片側空け。大きな事故が頻発する前に、罰則を設けた法律の検討も必要かもしれない。


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■執筆者紹介

タカハシマコト:ニュースサイトSirabee編集主幹/クリエイティブディレクター

1975年東京生まれ。1997年一橋大学社会学部を卒業。2014年NEWSYを設立し、代表取締役に就任。東京コピーライターズクラブ(TCC)会員。カンヌライオンズシルバー、TCC審査委員長賞、ACCシルバーなどの広告賞を受賞。

著書に、『ツッコミュニケーション』(アスキー新書)『その日本語、お粗末ですよ』(宝島社)

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(文/Sirabee 編集部・タカハシマコト

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ
調査期間:2023年6月30日~7月2日
対象:全国10代~60代男女1,000名(有効回答数)

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