9割以上の人が正しく読めた「烏賊」 その大きな眼球には盲点がない?

なぜか漢字では「鳥の賊」と書くが、鳥ではない海の軟体動物で…。

2023/07/17 06:00

いか

日頃から目にする機会も多く、馴染み深い生き物とあって、多くの人が読み方を知っていた「烏賊」。その漢字表記は中国の故事に由来するという説も。


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■「烏賊」は何と読む?

Sirabee編集部が全国の10代~60代の男女1,000名を対象に「烏賊」の読み方に関する調査を実施したところ、全体で93.2%の人が「いか」、6.8%の人が「たこ」と読むと回答した。

イカ

「いか」と読む人は男性が93.4%で女性が93.0%。「たこ」と読む人は、男性が6.6%、女性は7.0%という結果に。

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■正しくは「いか」

「烏賊」の正しい読み方は、「いか」。日本人の食生活においても馴染み深い海生軟体動物の一群で、全世界のあらゆる海に分布しているが、淡水域に生息する種類は確認されていない。

イカは、体の大きさに対しての眼球の割合が大きいことから、視覚による情報に頼って行動すると考えられている。しかも、視神経が網膜の背面側を通っており、視認の邪魔にならないため、盲点が存在しないという。その一方で、嗅覚や味覚に関してはよくわかっていないそうだ。


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■「カラス(烏)」を襲う「賊」?

漢字表記である「烏賊」は、中国の古書『南越志』に記されている故事が由来だという説がある。海面に浮かぶイカを食べようとカラスが近づくと、イカは突然カラスに腕を巻き付けて海中に引きずり込んだ、という話から、「カラス(烏)」を襲う「賊」で「烏賊」になったというものだ。

また、黒い墨を吐き出すことから、黒い鳥である「烏」という字があてられたとする説もあるようだ。なお、英語では体内に甲を持つものをcuttlefish、持たないものをsquidと呼んでいる。


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■「たこ」の漢字は「蛸・鮹」

「たこ」は漢字で「蛸・鮹」と書く。「蛸」は本来、クモ(蜘蛛)をあらわす漢字だったと言うが、クモと同じく足が8本ある姿から、「海のクモ」という意味で「蛸」という漢字が使われたと考えられている。「鮹」はそれに魚編があてられたもの。

8本足のタコと、10本足のイカ。似ているように感じるが、イカの吸盤にはスパイクのような歯が付いた角質の環があり、筋肉の収縮を利用するタコの吸盤とは構造が異なるようだ。

また、タコの吸盤は、たいていのものに吸着できるうえ、驚くことに切断されても1時間ほどは活動できるという。調理する際などに、それぞれの腕や吸盤の構造を見比べてみると、新たな発見があるかもしれない。

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(取材・文/Sirabee 編集部・ゆきのすけ

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ
調査期間:2023年6月29日~2023年7月3日
対象:全国10代~60代男女1,000名 (有効回答数)

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