山上徹也被告の減刑求める署名、裁判に影響は… 北村晴男弁護士「わずかにある」
安倍晋三元首相の銃撃事件・山上徹也被告の減刑を求める署名が裁判に与える影響について、北村晴男弁護士が解説した。
弁護士の北村晴男氏が10日、公式YouTubeチャンネル『弁護士北村晴男ちゃんねる』を更新。昨年7月に安倍晋三元首相を殺害した山上徹也被告の刑を軽くするよう求める嘆願書をめぐり、量刑に与える影響について語った。
■奈良地裁に段ボール箱の不審物
先月12日、奈良地裁に「山上被告公判前整理手続き」との宛名が書かれた段ボール箱の不審物が届き、職員らが2時間にわたって建物の外へ避難する騒ぎがあった。
警察が中を調べたところ、箱の中には山上被告の刑を軽くするよう求める署名が入っていた。
地裁では同日午後、山上被告の公判前整理手続きが予定され、山上被告も出席する方向で調整されていたが、この騒ぎで中止となっていた。
■裁判への影響は…
この騒ぎについて、視聴者から「(嘆願の)署名が提出されることで裁判に影響はあるのでしょうか?」との質問が寄せられた。
北村氏は、「影響がゼロだとはちょっと言いにくいです。わずかに影響があるというのが正解だと思います」と回答する。
■「ゼロだと言えない」理由は
刑事事件の裁判では、量刑にあたって犯行の様子、被害の大きさ、動機、社会的影響などが考慮されるが、「一番重要なのは、結果の重大性。その犯行態様がどうだったか、そして計画的だったかどうか、これが一番大きな影響」とし、「それに比べたら(署名の影響は)もう、ごくごくわずか」と話す。
裁判所は判決の際、すべての事情を考慮したことを示さなければならず、「一応、判決文の体裁としては『全部考慮しましたよ、その結果がこうですよ』っていうことを判決文に書くわけですね。ですから、書いている以上は影響がゼロだと言えないということになります」と説明する。