男たちが聴覚障害ある男児をからかい逃走 「有名YouTuberのチャレンジ動画に」と誘い
有名YouTuberの協力者を名乗る男3人は、障害を持つ8歳児と父親に近づくと、チャレンジ動画への参加を促した。しかし、すべてが嘘だった。
障害をもつ子供に対し、心無い悪ふざけを働く。このほどアメリカ・コネティカット州で、許しがたい事件が起きたことを『WFSB-TV』『PEOPLE』などが報じている。
■買い物中の親子に声をかける
事件は、コネティカット州ハートフォード郡のサジントンにあるスーパーマーケットの「ターゲット」で起きた。
心無い男3人の悪ふざけに遭ったのは、父親のTJ・ライルズさんとともに買い物に来ていたゲイブ・ライルズくん（8）。度の強い眼鏡をかけ、聴覚にも障害があるという。
男たちは親子に近づくと、「有名YouTuberのチャレンジ動画を撮影しているんです」と語りかけた。
■「30秒の間にカートを埋めて」
男たちは、チャンネル登録者が1億5,000万人近くにのぼる、世界屈指のYouTuber「MrBeast（ミスタービースト）」の協力者だと名乗った。
目隠しの状態で30秒間でカートを商品で埋めていくチャレンジを撮影しているとし、「代金はチャンネル側で負担する」と説明したという。
ミスタービーストはドッキリ系のチャレンジ動画を得意としており、ライルズさん親子は嬉々として協力することにした。
■男たちの逃げる足音
親子で目隠しを装着し、次々と棚から取った商品をカートに積み始めた親子だが、あるときTJさんは男たちが逃げる足音を聞き、目隠しを外して愕然とした。
何より悔しかったのは、「ミスタービーストの動画に出られるなんて、夢みたいだ」とはしゃいでいた幼い息子に、悪い大人たちに騙されたと悟られること。TJさんは、心が張り裂けそうだったという。
■涙を流した少年に同情
「補聴器をつけないと、よく聞こえない」と言った息子に、男たちは「障害があるなら、なおさらこのチャレンジは君がいい。君は特別に選ばれたんだ」などと感動たっぷりに話していた。
障害も含めてからかわれたとわかり、悔しさでボロボロと涙を流したゲイブくん。TJさんがこの話をFacebookで打ち明けると、サジントンの町民たちは深く同情した。
そして、事情を知った地域の障害者委員会からゲイブくんに、200ドル（約2万8,900円）のギフトカードが贈られたという。
■善い大人は大勢いる
「本物のチャレンジだったと思って、これで好きなものを」と人々はゲイブくんにあくまでも親切だった。次の日曜日、ゲイブくんは再びターゲットに行き、玩具のナーフガン、水風船、水鉄砲などを買ってもらっている。
コミュニティの人々のやさしさに触れたゲイブくんは、「とてもうれしいです。ありがとう」と感謝を示している。世の中は悪人ばかりではないとわかり、表情にはすっかり明るさが戻っているという。
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（文／Sirabee 編集部・浅野 ナオミ）
