「脱マスク」の夏、汗の臭いに要注意 医師が推奨する対策が目からウロコ
汗をかく機会が増える。久しぶりにマスクなしで人と会うこの夏は、臭いに注意が必要で…。
30℃を超える暑さを記録する地域が増えている。外を歩くだけでじっとりと汗ばみ、臭いが気になる人も多いはず。
今年の夏は、特に汗の臭いに注意が必要なようで…。
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■「脱マスク」で気になる臭い
マスク着用が個人の判断に委ねられるようになり、街中でもマスクを外す人が見受けられる。ただ、マスクを付けずに人と接するようになり、他人の臭いが気になる人も増えているようだ。
制汗剤ブランド「デオナチュレ」を販売する株式会社シービックが20~50代の男女287人を対象に行った「脱マスクによるニオイ意識」調査によれば、「他人の臭いが気になる」と答えた人は50%を超えた。コロナ禍に比べて25%増加しているという。
久しぶりにマスクを外して、ちょっとした他人の臭いが気になる人が多いのだろう。
■汗が臭くなる理由
これから暑くなれば、汗をかく。自分の汗が他の人に「臭い」と思われていないかと、不安を抱く人も多いはず。
そもそも、汗はなぜ臭くなるのか。渋谷スクランブル皮膚科の下方征(ただし)院長によれば、もともと汗にはほとんど臭いがないという。
「皮膚には常在菌というものがあり、他の菌が入るのを防ぐバリア機能があります。汗が出た時、常在菌が汗を分解して代謝するのですが、そこで臭いの強い物質が生まれ、汗臭くなってしまうんです」(下方院長)。
コロナ禍で外出を控えていた人が、この夏久しぶりに旅行やレジャー等で外に繰り出す際は注意が必要だ。前出の下方院長は、「コロナ禍で運動量が減り、基礎代謝量が低下しています。発汗する機会が減り、汗をかく機能も落ちています。発汗機能が低下すると、臭いの強い汗が出てしまうんです」と話す。
■汗の臭い対策でできることは…
汗の臭いを抑えるため、日頃の生活で気を付けるべきことがあるという。「衣服に汗が付着しないようこまめに着替えたり、拭き取りましょう。日頃からデオドラント剤を使うと、汗の量やバクテリアの発生を抑えることができます。一部のスパイスやにんにくを食べると、次の日に汗の中の臭いとして出るので、気になる方は控えたほうがいいでしょう」(前出・下方院長)。
夏バテ防止で辛いものやにんにくを使ったスタミナ料理を食べる機会も増える。そうした料理を食べることも大事だが、翌日人と会う約束がある時は控えたほうが賢明であろう。
前出の下方院長は、「運動や発汗する習慣をつけると、毛穴のバクテリアを洗い流してくれます。運動だけでなく、サウナやお風呂などの発汗習慣を作ることも大切です」と、汗をかく習慣の重要性を指摘する。
暑い中、外で体を動かすのが億劫な人は、週に1~2回半身浴するのも効果的だという。
■汗の量が多い人は皮膚科に相談も
脇汗が気になりグレ ーの服は着られない──。汗の量に悩む人も少なくないだろう。
前出の下方院長は、「汗は体温調整のために必要 」と前置きしつつ、汗のせいで生活に支障が出ている人は多汗症の可能性があると指摘する。
「 汗染みが気になって着られない色の服がある、汗のせいで人と会うのが億劫に感じる、汗の 量が気になって仕事の能率に影響が出るなど 、一つでも当てはまる方は 、皮膚科の受診をおす すめします。日本人の10人に1人が多汗症と言われてます。多汗症はこの2~3年で様々な治療法が選択できるようになりました」(前出・下方院長)。
今回紹介したような対策を参考にしつつ、汗と上手に付き合ってほしい。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人)