「妊娠初期」と偽り入手した経口中絶薬で死産した女 懲役28ヶ月の実刑判決に
経口中絶薬を飲んで死産した女は反省し後悔もしているというが、実刑判決を免れることはできなかった。
妊娠32~34週だった40代の女が中絶薬を服用して死産し、実刑判決を下されていた。『Sky News』など海外メディアが伝えている。
■40代で妊娠した女
イギリスで暮らす3児の母親(44)が、2019年に妊娠。
しかしほどなくすると中絶を強く望むようになり、インターネットを頻繁に利用して「お腹を殴られたら流産するか」「妊娠24週だけど、中絶する必要がある」「経口中絶薬はイギリスで購入可能なのか」といった情報を検索するようになった。
その直後、イギリスは新型コロナウイルスの感染拡大が極めて深刻な状態になり、ロックダウンに。
その頃「妊娠10週未満であれば電話診療で経口中絶薬を郵送してもらえる」と知った女はクリニックに連絡し、「妊娠7週なんです」と嘘をついて、薬を送らせることに成功した。
■中絶薬を飲んで死産
経口中絶薬を入手した女は、2020年5月11日に薬を服用。その結果、すでに妊娠32~34週になっていた女は赤ちゃんを死産した。通報を受けて駆けつけた救急隊員たちは懸命に蘇生を試みたが、赤ちゃんを救うことはできなかった。
その後、女は逮捕されることをひどく心配し、「妊娠30週で中絶すると刑務所に送られるのか」などとネット検索して、情報を得ようとしていたことも判明している。
■下された実刑判決
結局はすべてがばれて裁判を受けることになった女だが、この件については深く反省しており、今も罪の意識に苦しんでいるという。
しかし判事は「悲劇的だが違法な行為だった」と判断し、「より早い段階で有罪であることを認めていれば、執行猶予になっていた可能性もある」と指摘。
その上で女に懲役28ヶ月の実刑判決を言い渡した。今後、女は少なくとも14ヶ月を刑務所で過ごすことになる。
この件についてはさまざまな声が上がっているが、中絶する権利を支持する人たちからは「実刑判決は厳しすぎる」「中絶を犯罪とみなすのはやめてほしい」という声も上がっていることを、複数メディアが報じた。
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(文/Sirabee 編集部・マローン 小原)