法整備も検討される「子供の声」は騒音なのか 8割を超えた回答は…
岸田文雄首相が力を入れる異次元の少子化対策。「子供の声は騒音でないと定める」との法整備の検討も伝わるが…。
岸田文雄首相が掲げ、3月に素案が公表された「異次元の少子化対策」。厚生労働省が発表した2022年の合計特殊出生率は、前年から0.4ポイント低下して過去最低の1.26に。出生数は80万人を割り込んだ。
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■「法整備を検討」との報道も
凄まじい勢いで加速する日本の少子化。劇的な対策を施さない限り、現役世代の減少や市場規模の縮小といった形で全ての世代がその報いを刈り取ることになる。
そんな中、今年4月末には、政府が「子供の声は騒音ではないと定める法整備を行う」との報道も。
今年3月末をもって廃止された長野市の青木島遊園地が、近隣の一部住民の苦情が大きな要因となって廃止に至り、賛否が分かれる大騒動になったことなども影響していると見られる。
■ドイツでは法令化
海外では、ドイツ連邦議会が「子供の声は原則として騒音とは認めない」とする法案を可決している。
一方、NIMBY(Not In My BackYard)と呼ばれる心理もあり、「保育園や学校、斎場といった施設が社会にとって必要なことはわかるが、自分の家の近くには設置しないでほしい」と考える人がいるのは理解できる。
世間は、子供の声についてどのような印象を抱いているのだろうか。
■「騒音だ」は2割以下
Sirabee編集部が、5月25〜26日にかけて全国10〜60代男女1,000名を対象に「子供の声」について調査したところ、「子供の声は騒音だと思う」との回答はわずか18.4%。
全体の81.6%と圧倒的多数は「子供の声は騒音ではない」と回答している。
■中高年ほど増加
ただ、子供の声を騒音と感じる人の割合は、男女や年代によってバラつきがあるようだ。「騒音派」は、男女とも若い世代が最も少なく、男性11.9%、女性13.9%。
子育てで悩まされた経験があるためか徐々に増えていき、50代では男女とも2割以上が「騒音」と回答している。
ただ、いずれの世代においても圧倒的な少数派であり、国が法整備を検討しているように「子供の声は騒音ではない」と考える人が大多数のようだ。
■執筆者紹介
タカハシマコト:ニュースサイトSirabee編集主幹/クリエイティブディレクター
1975年東京生まれ。1997年一橋大学社会学部を卒業。2014年NEWSYを設立し、代表取締役に就任。東京コピーライターズクラブ(TCC)会員。カンヌライオンズシルバー、TCC審査委員長賞、ACCシルバーなどの広告賞を受賞。
著書に、『ツッコミュニケーション』(アスキー新書)『その日本語、お粗末ですよ』(宝島社)
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(文/Sirabee 編集部・タカハシマコト)
対象:全国10代~60代男女1,000名(有効回答数)