弟を救おうとした高校生の兄が溺死 サッカーボールを拾うため川に入り…
サッカーボールが大きな川に落ち、取り戻そうと水に入るも、もがき始めた少年。救おうと川へ入った兄が命を落としてしまった。
川の近くで野球やサッカーをしていて、誤ってボールが水に落ちてしまったときの悔しさといったら…。だが、そこで水の力を侮ってはならない。「取り戻そう」と考えるのは、とても危険なことだ。
アメリカで起きた悲しい溺死事故について、『KCRA-TV』『abc10 News』などが報じている。
■15歳少年が大きな川で溺死
4日、アメリカ・カリフォルニア州のサクラメント市で、ナトマス地区に暮らすアマリ・クォールズくん(15)が自らサクラメント川に飛び込み、命を落とした。
直前まで家族でサッカーをしており、ボールが誤って川に落ちてしまったことが発端だった。なお、サクラメント川の幅は狭い所でも100メートルはある。
■続いて兄、さらに母親も
川の流れに沿ってゆっくりと動いていくサッカーボールに、弟のアライジャくん(13)は「僕が取りに行く」と言って川へ。ところが川底はいきなり深くなり、アライジャくんはもがき始めた。
助けようとアマリくんも川に入ったが、やはり足元をすくわれてパニックに。さらに現場にいた母親のヨランダ・サシェさんも息子たちを助けようと飛び込み、まずはアマリくんの所にたどり着いた。
■ボートが2人を救出
だがその時、すでにアマリくんの意識と体の力は失われていた。ヨランダさんはメディアの取材に、「そこにさらに水の強い勢いが加わり、息子の体は私の手から引き離され、その後に沈んでしまいました」と語っている。
近くでボートに乗っていた人が異変に気づき、ヨランダさんとアライジャくんの2人を救出。ソナー装置を用いた捜索が行われ、後にアマリくんの遺体も川底から引きあげられた。
■人柄もよく成績も優秀だった
優しい性格で成績も大変優秀だったアマリくんは、ナトマス学校では「模範的な生徒」として誰からも好かれていた。
高校およびナトマス学区の教育委員会は、公式ホームページで哀悼の意を示すとともに、養父のジェームズ・サッシュさんがクラウドファンディングの『GoFundMe』に開設したページを紹介。
寄付を呼び掛けたところ、現時点で1万7,000ドル(約238万円)を超える額が集まっているという。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)