マイナンバー制度は信頼できる? 50代では8割がノー、「全く信頼できない」も3割に
他人の保険証や公金受取口座と紐づけされたことが発覚し、河野太郎デジタル相ら3大臣が謝罪する事態にも。マイナンバー制度は本当に信頼できるのか?
■3大臣が謝罪
国は「アメ」としてマイナンバーカード申請者にポイントを付与したり、住民票の交付やふるさと納税、ワクチン接種証明書を取得しやすいといった仕組みを用意して普及に務めている。
5月31日には、2024年秋に現行の健康保険証を原則廃止するマイナンバー法などの関連法改正案が、参院特別委員会で可決。2日の本会議で成立する見込みだ。
しかし、マイナンバー保険証の誤登録は去年11月までに7千件以上起きており、別人の公金受取口座と紐付けられる事案も発生。松本剛明総務相、加藤勝信厚労相、河野太郎デジタル相が謝罪する事態となっている。
■26年には新カード導入も
写真を撮ってスマホでアップするなど、一人ひとりが手間をかけて手にしたはずのマイナンバーカードだが、デジタル庁は2026年にもセキュリティを高めた新カード導入を目指す方針だ。
トラブルも多く、できたばかりゆえか制度が変わることも多いマイナンバー。世間はどれくらい信頼しているのだろうか。
■7割が「信頼できない」
Sirabee編集部が、5月25〜26日にかけて全国10〜60代男女1,000名を対象にマイナンバー制度の信頼度について調査したところ、「非常に信頼できる」と答えたのはわずか2.1%。「やや信頼できる」が30.8%。信頼している人は3割にとどまった。
最も多かった回答は「あまり信頼できない」で、45.6%にのぼっている。「全く信頼できない」という厳しい意見も21.5%となった。
■中高年ほど不信感
なお、今回の調査では、世代によってマイナンバー制度への信頼感が異なる結果となった。デジタル技術への親近感に差があるためか、「全く信頼できない」は60代を除いて若い世代のほうが低く50代では29.2%にのぼる。
「あまり信頼できない」は60代で最も多く、52.2%だった。また、すべての世代で信頼しない人が信頼する人を上回っているのも特徴的だ。
今後、保険証などと一体化していくマイナンバーカード。新たなトラブルがないよう、国には万全を期してほしい。
■執筆者紹介
タカハシマコト:ニュースサイトSirabee編集主幹/クリエイティブディレクター
1975年東京生まれ。1997年一橋大学社会学部を卒業。2014年NEWSYを設立し、代表取締役に就任。東京コピーライターズクラブ(TCC)会員。カンヌライオンズシルバー、TCC審査委員長賞、ACCシルバーなどの広告賞を受賞。
著書に、『ツッコミュニケーション』(アスキー新書)『その日本語、お粗末ですよ
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(文/Sirabee 編集部・タカハシマコト)
対象:全国10代~60代男女1,000名(有効回答数)