「秋葉原で制服女子が売春」と報じたweb記事が炎上 読者が指摘した“3つの矛盾点”
某大手ニュースメディア報じた秋葉原の「制服女子」売春記事が炎上している。アキバエリアで個人売春している女性は記事をどう見たか。
某大手ニュースメディアが17日に報じた「秋葉原のリアル」。制服姿の家出女子高生らが秋葉原エリアで売春をしていることを暗に示す記事だが、「フェイクニュース」「作り話」「歌舞伎町と一緒にするな」と秋葉原フリークたちから猛反発の声が上がっている。
sirabeeはその真偽を確かめるため、取材した。
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■「制服女子」とボカしたタイトルで…
60代の女性記者が見た秋葉原のリアルというタッチで、17日に配信されたとある記事。
秋葉原駅近くの安ホテルに高校の制服を来た女子たちが次々入っていることがつづられており、有識者のコメントを交えつつ“家出女子高生”が個人売春を行っていると読者に想起させる内容だ。
さらに「裏秋葉原」なるアングラなエリアがあるとの説明や、駅ビルのサイゼリヤで女子高生と中年男性がデートしている姿を目撃したとも記されており、記事後半は、救いの手がない女子高生たちを救ってあげるべきかどうか悩んだ、という執筆者の感想で終わっている。
■3つの「疑問点」
しかし、この記事が配信されるとTwitter上でたちまち大炎上。
秋葉原に足繁く通うファンたちを中心に、複数の矛盾点が上げられ「適当なこと書いてるんじゃないわい」「よっぽどイメージ悪くしたいらしい」「これぞ、フェイクニュースって奴」「ここまですべて嘘書かれると逆に清々しさすら感じる」と辛辣な声が飛び交った。
ユーザーたちが指摘した点は主に3点。①「裏秋葉原」という通名が存在しない ②サイゼリヤ秋葉原店に存在しない「注文用タブレット」が記事中に登場する ③制服姿の女子高生が売春している光景を見たことがないという点だ。
■存在しない通名「裏秋葉原」とタブレット
sirabee記者は約25年間秋葉原に通い、100店以上の店を取材してきたが、「裏秋葉原」という名称は地元民、店舗関係者、アキバフリークから一度として聞いたことがない。同名の飲食店はあっても、エリアとして示す通名としては存在せず、違和感を覚えた。
続いてサイゼリヤでのワンシーンで出てきた「注文用のタブレットを取ろうとしたら」という表記。駅ビルのサイゼリヤこと「サイゼリヤ アトレ秋葉原2店」に確認すると、タブレット端末を置いたことは過去一度もないという回答で、読者の指摘は合っている。
■“事情通”は記事を一蹴
最後に制服姿の現役女子高生が売春を行っているとの内容だが、こちらは実際にアキバエリアで個人売春を行っている20代女性・うみさん(仮名)に話を聞くことができた。彼女の本業はデリヘル嬢。シフトに入ってないタイミングで出会い系サイトを使い“個人売春”をしている。
記事を読ませると「家出してきた女子高生が制服姿でホテル入るなんてありえません。すぐ身バレして捕まりますよ(笑)。このあたりでやっているのはみな私と同じ20歳以上のデリヘル嬢で、個人売春は副業として。たしかに裏通りには安ホテルっていうかレンタルルームがあって、過去何百回も行ってますが制服姿の子なんて見たことありません。いたとしても秋葉原エリアで派遣しているリフレ店のコスプレサービスじゃないですか」と一笑に付す。
■「ほとんどホス狂い」
記事には、家出した身寄りのない少女たちが仕方なく身体を売っているという内容が記されていたが…。
「私は本業のデリでだいたい月40万円、個人営業のほうでも同額くらい。これがおおまかな月収です。中にはOLや女子大生が“副業(個人売春)”しているケースもあるけど、やってる子のほとんどが貧困とかネグレクトを受けた少女ではなく“ホスト狂い”。自業自得で、遊んだぶんはしっかり稼ぐと割り切っている。ただこれはアキバだけでの話ではなく、人数が多いのは新宿と池袋です。私は数年前にホス狂いから卒業しましたが将来バー出店を目指してデリの仕事はつづけています」(うみさん)。
彼女の話から、前出③の内容にアキバフリークから批判が集まったことも極めて真っ当なように思える。…今後、この大手メディアはどんなレポートをアップするのだろうか。
■執筆者プロフィール
キモカメコ佐藤:1982年東京生まれ。『sirabee』編集部取材担当デスク。
中学1年で物理部に入部して以降秋葉原に通い、大学卒業後は出版社経て2012年より秋葉原の情報マガジン『ラジ館』(後に『1UP』へ名称変更)編集記者。秋葉原の100店舗以上を取材し、その後『ねとらぼ』経て現職。コスプレ、メイドといったオタクジャンル、アキバカルチャーを精力的に取材中。親族のルーツが秋葉原近辺にあり、大叔母は練塀小学校出身。
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(取材・文/Sirabee 編集部・キモカメコ 佐藤)