”深海博士”と呼ばれる男性が海底で74日間超も生活中 一番恋しいのは「太陽」
「深海博士」と呼ばれる男性が、減圧なしで水中に滞在し続ける最長記録を更新。水中での生活を満喫中だ。
アメリカ・フロリダ州の大学教授の男性が、水中にあるロッジの中で74日間生活し続け、減圧なしで水中に潜り続ける最長記録を更新した。『AP News』『CTV News』などの海外メディアが報じている。
■3月から浮上せず水中生活
南フロリダ大学の教育者で生体医工学の博士号を取得し、退役米軍士官でもあるジョセフ・ディトゥリさんは、3月1日に水中に潜って以来、74日間一度も浮上していない。
彼はフロリダ州にあるキー・ラーゴという島で、深さ9メートルほどのラグーンの底に建設されたスキューバダイバー向けロッジに滞在しており、1日をその中で過ごしているという。
■水中ロッジで食事と運動
ディトゥリさんは周囲から「深海博士」と呼ばれており、海洋研究と教育支援を兼ねた「プロジェクト・ネプチューン」というミッションのためロッジに滞在している。
備え付けられた電子レンジを使って、卵とサーモン入りの高タンパクの食事を摂取。レジスタンスバンドで運動し、毎日の腕立て伏せと昼寝を欠かさない。
なおこのロッジは潜水艦とは異なり、水中で強くなる圧力を調整する機能は付いていないという。
■記録はまだまだ伸びる予定
これまでの最長記録は、73日と2時間34分。2014年にテネシー州のブルース・カントレルさんとジェシカ・フェインさんという2人の教授が、同じ場所で同時に打ち立てた記録だ。
しかし、ディトゥリさんの目的は記録の更新ではなく、また記録に満足して浮上する予定もないという。少なくとも、ミッションが完了する6月9日まではロッジに滞在する予定だそうだ。
■水中生活で恋しいのは…
ディトゥリさんの研究には、極度の圧力に長期間さらされた場合、人体がどのように反応するかを監視するため、毎日の生理学的な実験が含まれているという。
彼は海の下での生活を苦もなくこなし、実際にその生活が大好きだと言うが、本当に悲しいことが1つだけあるという。「水中生活で一番恋しいのは、文字通り太陽です。太陽は私の人生において大きな要素でした」と語っている。
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(文/Sirabee 編集部・びやじま)