NATOが日本に事務所創設か 実現すれば中国やロシアに攻撃される?
台湾情勢やウクライナ戦争でロシアや中国への脅威が高まるなか、NATOが日本と交渉して事務所を創設するとの報道が。日本にマイナスの影響も…。
■NATOが日本事務所を創設する計画が
北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は今月、東京にNATOの事務所を開設する計画を発表し、すでに日本政府と協議していると明らかにしたのだ。
ストルテンベルグ事務総長は日本を重要なパートナー国と位置付け、中国やロシアに強く対応したいようだ。そのための事務所設置と見られる。
いつ設置されるかは明らかにされていないが、欧州諸国はウクライナ侵攻によりロシアを“直面する脅威”と捉え、先月もロシアと1,000キロ以上にわたって国境を接するフィンランドがNATOに加盟するなど、NATOはロシアの隣国日本と関係を強化し、ロシアを牽制したい狙いがある。
また、近年欧州でも中国脅威論が拡大しており、NATOは中国の拡張主義的行動も自制したく、NATO日本事務所設置は対中国の意味合いも強い。
■反発する中国とロシア
これについて両国は早速反発している。中国は「北大西洋を活動範囲とするNATOがなぜ極東アジアに来るのか、アジア太平洋版NATOの創設は必要ない」とし、ロシアも「アジア太平洋版NATOはこの地域の緊張を高めるだけだ」と反発している。
仮に、設置されれば中国やロシアは日本を米国や欧州の親友と位置付け、さらなる厳しい姿勢で対応してくる恐れがある。とくに、経済依存で中国とロシアは日本にとって全く重要性が異なることから、これに中国が強く反発し、行動をエスカレートさせれば日本経済は壊滅的な被害を被るだろう。
■事務所設置によるリスク
さらに、事務所設置で緊張がエスカレートすれば、北方領土に駐留するロシア軍が北海道を攻撃したり、中国が武装漁民を使って尖閣周辺で操業する日本の民間漁船への攻撃をエスカレートさせるかもしれない。
この事務所設置は単なる設置ではない。
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(取材・文/セレソン 田中)