職場に臭い同僚、どう注意すれば… 社労士が語る「スメハラ対策」が目からウロコ

秋葉原のカードショップが「臭い客」にツイッターで注意喚起し話題に。一般企業で「スメハラ対策」はどうすればいいのか…。

2023/04/17 04:15

匂い・臭い・悪臭

「申し訳ございませんが、今後店員が『臭い(主観)』と判断した方は声をかけさせていただきます」──。3月下旬、東京・秋葉原のカードショップがツイッターに投稿した内容がネット上で賛否を呼んだ。

近年、「スメルハラスメント」は社会問題となっているが、職場の体臭が気になる人にどのように注意すればいいのだろうか。

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■「臭い客」に注意喚起

話題になったのは、「カードショップ トレカバース 秋葉原店」の公式ツイッター。3月下旬、同店は「清潔感に欠ける『臭い方』が増えつつあります」とツイートし、店員が臭いと判断した客には声をかけると投稿したのだ。

「残念ながら声をかけさせて頂いた方は、画像の防臭グッズを浴びてもらうか退店して頂きます」と、消臭剤の画像も添付するなど、店側の強気な姿勢が垣間見える。

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■ネットで賛否を呼ぶ事態に

件の投稿は、ネット上で話題に。「コミケや地下ライブでもそうだけど、生乾きの臭いが酷い人多いんだよな」「臭いって、言ってくれるお店は実はかなり優しい」「昔、カードゲーム大会で自分が臭いことに自覚がない人がいてすごく腹が立ったからよく言ってくれた」など、店側の対応を評価する声があがっている。

一方で、「体質的な人とかもいるし判断間違えると大問題になると思う」「臭いからって追い出すのは差別なのでは」「気持ちは分かるけど、こうやってSNSに書くのはどうかと思う」など、懐疑的な声も見受けられる。


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■企業でも「スメハラ」は問題に

カードショップに限らず、近年「臭い」は「スメルハラスメント(スメハラ)」と称され、社会問題になっている。タバコや香水など、人によって何を不快に感じるかは異なるが、特に体臭は中々本人に直接伝えにくいこともあり、扱いが難しい。

ハラスメント研修を多数実施し、ハラスメント事情に詳しい社会保険労務士法人レクシードの代表・鈴木教大さんは、「スメハラ」の相談を受けるケースは多いと話す。

「特に、体臭に関する相談が増えています。工場のような広い空間であれば、そこまで気にならないかもしれませんが、狭いオフィスだと気になる人もいるのでしょう。ただ、本人が周りの人に危害を加えることを意図して体臭を発しているわけではないので、対策が難しいです。就業規則で香水を禁止する会社は多いですが、体臭について明記するところは少ないと思います」(鈴木さん)。

本人が体臭に自覚のない場合、どのように注意を促せばいいのだろうか。

「個別の部屋に呼び、『不快に感じる人が複数いるみたいだから、病院に行ったり、対策を取ってくれないか』と指摘するのも方法の一つです。他の人が大勢いる前で注意したり、直接的に『あんた、臭いんだよ』と指摘しては、その行為がハラスメントになりかねません」(前出・鈴木さん)。


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■臭いに対する意識を変える

会社全体で臭いに対する意識を高める方法もあるようだ。前出の鈴木さんが続ける。

「スーツは頻繁に洗わないので、臭いが蓄積されがちです。毎日洗えるTシャツやスーツに準じた服を認めるなどの対策を取る会社もあります。また、会社負担で消臭スプレーやウェットシートなどを購入し、オフィスの共有スペースに置くのもいいと思います」(前出・鈴木さん)。

最後に、一般的な企業ではあまり現実的ではないかもしれないが、秋葉原のカードショップのようにSNSで注意を促すやり方について聞いてみた。

「必ずしも正しいとは言えません。拡散力のあるものを使うと問題が大きくなり、訴訟につながる危険があります。また、対面で話す時は問題なくても、文字だと本来の意図と違う形で受け取られがちです」(前出・鈴木さん)。SNSで同僚や客の臭いを指摘するのは、避けたほうが良さそうだ。

これから暑くなり、汗をかく機会も増える。「ノーマスク」が解禁になったことで他人の臭いが気になることもあるだろう。そんな時、相手を傷つけないよう十分注意したいところだ。

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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人 取材協力/社会保険労務士法人レクシードの代表・鈴木教大さん)

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