長く監禁され8人の子を出産した女性を保護 夫を含む計6名に実刑判決
人を売り飛ばして金にする。そんな恐ろしい“ビジネス”に関するニュースが後を絶たない。ある女性は誘拐され、多くの子供を産まされた。
統合失調症の女性が二度も売られ、多くの子供の母に…。劣悪な環境下に置かれていたことが判明し、夫たちに実刑判決が下されたことを、『AsiaOne』など海外メディアが伝えた。
■誘拐され売られた女性
中国で暮らしていた女性が、1998年に自宅から連れ去られた。当時まだ10代だった女性は農夫に売り飛ばされ、その1年後には別の男に買い取られて、その家の息子と結婚させられた。
その頃は、自分の身の回りのことや意思伝達は問題なくこなせたという女性。しかし夫によるひどい虐待にさらされ、精神状態は徐々に悪化していった。
■8回も繰り返した妊娠・出産
1999年に、女性は第一子を出産。第三子を出産したあと精神状態が急激に悪化したが、それでも虐待は続き、2020年までに8回の妊娠・出産を経験した。
また2017年には家から小屋に移され、ロープとチェーンに繋がれた。水も電気もない汚い小屋で過ごすはめになった女性は、食事をもらえないこともしばしばだった。
その悲惨な様子をある人物が撮影してVlogで発表したことで、「売られたのではないか」という疑惑の声が噴出した。
■下された実刑判決
この件が話題になるも、当局は人身売買の可能性は低いと推測。「女性と夫は正式に結婚している」「夫婦関係に問題があるだけ」との見方を示し、夫側の弁護士も「妻を小屋に閉じ込めたのは、統合失調症を患っており暴れるため」と釈明していた。
しかし「ひどい」という世間の声に押される形で捜査が始まり、夫たちが裁判を受ける運びに。その結果、裁判所は夫と人身売買に関わった計6名に実刑判決がふさわしいと判断。夫に下されたのは、懲役9年の実刑判決だった。
■女性の今
事件が明らかになった後、女性は村を離れて病院に入院。現在も治療を受けている可能性を、中国のメディアが伝えている。
判決については怒りの声が多くあがっており、「人の人生を台無しにしたのに、この程度か」「甘すぎる」といった意見もインターネットに多数書き込まれているようだ。
日本でも人身売買・取引が行われており、ターゲットになるのは主に女性と子供たちだ。「怪しい」というケースを知っている人、また情報を得たという人は、匿名通報ダイヤルなどを利用して警察に話をしていただきたい。
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(文/Sirabee 編集部・マローン 小原)